
監修医師:
渡邊 雄介(医師)
所属
国際医療福祉大学教授
山王メディカルセンター副院長
東京ボイスセンターセンター長
騒音性難聴の概要
騒音性難聴は大きな音に長期間さらされることによって聴力が低下する疾患です。
内耳の蝸牛(かぎゅう)という組織にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が損傷することで、聴力障害をきたします。一度傷ついた有毛細胞は再生が難しいため、失われた聴力を回復させることは困難だといわれています。
騒音性難聴は、工場や工事現場、空港や地下鉄のような非常に大きな音にさらされる場所で働く人などが発症しやすい傾向があります。
初期段階では限定された音域のみの聴力が障害されるため、日常会話の聞き取りには影響がないケースも少なくありません。
しかし長期間大きな音にさらされ続けることで、次第に障害される音域が広くなり、日常会話の聞き取りにも支障が出始めます。
現段階では騒音性難聴に対する有効な治療法は確立されていません。そのため、大きな音を聞いた後は耳を休ませたり耳栓を使用したりして、できるだけ耳を守ることが重要です。

騒音性難聴の原因
騒音性難聴の原因は、長期間大きな音にさらされ続けることで、有毛細胞が損傷することです。
具体的には85デシベル以上の音に長い間さらされ続けると、有毛細胞が徐々に損傷されると言われています。(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について )
85デシベルとは間近で聞く救急車のサイレン程度の音量で、聞き続ける時間は1日8時間を超えないことが推奨されています。
音が大きくなるにつれて許容される時間は短くなり、100デシベル(電車のガード下や地下鉄車内の騒音程度)の音は、15分程度が限界とされています。
現在の医療では、一度障害を受けた有毛細胞の再生は難しいとされているため、大きな音に曝露されたあとは定期的に耳を休ませなければなりません。
騒音が発生する環境におかれる場合は、遮音性の高い耳栓やヘッドフォンを使用することも有効です。

