レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「レビー小体型認知症で突然死する前兆症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
神宮 隆臣(医師)
熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す
「レビー小体型認知症」とは?
レビー小体型認知症は、その名の通り認知症を引き起こす病気のひとつです。レビー小体が脳や神経に蓄積することで発症するといわれています。明確な治療法はなく、症状を和らげる治療を行います。
認知症の代表例でありアルツハイマー型認知症に比較して、物忘れが目立たないこともあります。そのかわり、認知機能が変動することがあります。加えて、幻視や睡眠中の異常行動、手足の筋緊張が高まって、動かしにくくなるなどの症状が併発します。
幻視は、まるでそこに居るような、鮮明な幻視であることが主です。
睡眠中の異常行動は、レム睡眠行動異常症といいます。正常のレム睡眠では、脳は活発に働いていますが、体には指令伝わらず、休んでいる状態を維持しています。この時に我々は夢を見ます。レム睡眠行動異常症では、体への指令が伝わってしまい、叫んだり、体が動いたりしてしまいます。レビー小体型認知症の発症よりも前から出現していることがあります。
手足の筋緊張が高まって、動かしにくくなる症状は、パーキンソン病に代表されるパーキンソニズムという症状群です。レビー小体型認知症もパーキンソン病に関連する病気とされています。
レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴
レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴を述べていきます。
高齢
レビー小体型認知症はその名の通り、認知症を引き起こす疾患です。そのため、ほかの認知症関連の疾患と同様に、年齢が上がれば発症しやすくなります。特に60歳を超えると発症しやすいとされています。さらに78歳を超えて発症したレビー小体型認知症は、より進行が早いとされます。そのため、発症から死亡までの期間も短いです。
誰しも年齢には抗うことはできませんので、レビー小体型認知症において起こりえる症状に気を付ける必要があります。気になる症状が出たときは早期に脳神経内科や精神科などの認知症外来を受診してください。
男性
レビー小体型認知症においては性別による違いも報告されています。レビー小体型認知症は男性が1.5倍多く発症します。さらに、レビー小体型認知症の男性が女性よりも進行がはやいです。なぜ性差があるのかに関しては様々な議論があります。男性のほうが頭部の外傷を受けやすかったり、労働環境などにより神経にかかわる毒素に暴露されやすかったりすることが一因とされます。さらに、ホルモンの性差も関わっているといわれます。
中年以降の男性は、レム睡眠行動障害やパーキンソニズムといった症状に注意して生活する必要があります。
不安症やうつ病
不安症やうつ病といった精神症状も関連があることが分かっていました。
不安症は、レビー小体型認知症を患っていない方に比べて、レビー小体型認知症の患者さんが7.4倍多いといわれます。男性のレビー小体型認知症では、実に60%もの人が不安症を患っています。また、レビー小体型認知症の前駆症状としてパニック発作を含めた不安症が生じることもあります。
うつ病もレビー小体型認知症の患者さんで増えています。レビー小体型認知症を患っていない方に比べて、6倍多いといわれます。認知症の症状をきたす代表であるアルツハイマー型認知症と比較しても、レビー小体型認知症におけるうつ病は特徴的です。年を取ってから発症するうつ病は、不安症と同様に、レビー小体型認知症の危険因子です。さらに、うつ病が、レビー小体型認知症の初期症状として出現する可能性もあります。
不安症やうつ病と診断されている方は、レビー小体型認知症の症状に注意する必要があります。困っていることがあれば、精神科や脳神経内科で認知症診療を行っている医療機関を受診ください。

