倒れた母をそのままに「出勤」、死体遺棄事件で浮かぶ「家族の歪んだ日常」と現実逃避

倒れた母をそのままに「出勤」、死体遺棄事件で浮かぶ「家族の歪んだ日常」と現実逃避

●「情けない」「気が弱い」被告人が語った心の内側

被告人質問で、被告人は何度も「情けない」と述べ、自身を「行動に起こせない」「気が弱いところがある」などと表現した。

自分で通報しなかった理由は判然としなかった。ただ、生活費を渡していた次女が浪費するなど、「家のために動いていない」と感じており、「次女にケジメをつけてほしい」と思いが当時あったとした。

また、決して不仲であったわけでない母親の最期がこのような形となったことには、「産んで育ててくれた恩返しもできずに本当に申し訳ない」「すぐに通報していたら、命が助かっていたかもしれないのに」などと悔恨を口にした。

一方、倒れている母親に声をかけなかった理由を尋ねられると「具合が悪いときも多くて」「明日には起きてくるかなって」「そんな気にしてなかった」といった曖昧な感覚も述べている。

検察官は、通報が容易な環境において、死者の尊厳を大きく損ねる行為だとして、拘禁刑10カ月を求刑した。

●次女の入院、母親の最期への向き合い方

次女も同じ罪で起訴されているが、事件後に病気を発症して入院し、リハビリを受けている。入院の手続きなどは被告人がおこない、今後は次女の生活を支えていくという。

介護を受けながら生活をしていた母親が迎えた最期を、姉弟はどう受け止めているのか。被告人が次女をサポートする過程で、母への思いに向き合うことはあるのだろうか。

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