
メニューにミネラルウォーターが並ぶレストランで、「無料の水でいいです」と注文する男性を描いたゐさん(@irk_hrk)の漫画「水でいいです」が、7万5000いいね超、1万4000リツイート、900件超のコメントを集めて話題になった。
■高級レストランでの「無料のお冷」はアリなのか



日本では多くの飲食店で「お冷」やセルフサービスの水が無料で提供されるが、コース料理を出すような店ではミネラルウォーターやスパークリングウォーターを注文するのが一般的だ。しかし、作中の男性はあえて「有料の水」ではなく「無料の水」を指定し、店側もそれに応じてグラスウォーターを出す。しかし男性は「パンのおかわりもない」「水がなくなっても注ぎに来ない」と不満を募らせ、女性はそれを「店側の無言の抗議」だと感じてしまう。
なんとかドリンクをオーダーさせようと促すものの、男性は「おかわりください!」と無料の水を重ねて要求し、彼女は高級レストランの空気の中でいたたまれない思いを味わうことになってしまった。
■「水でいいです」が投げかけたマナー論争
作品公開後、読者からは「マナー違反とまでは言えないが、気持ちのよい振る舞いではない」「嗜む場としての礼儀に欠ける」といった声が上がる一方で、「店側の無言の抗議という視点が勉強になった」「こういうマナーを知るきっかけがなかなかないからありがたい」など、大人の振る舞いを考える材料になったという反応も多く寄せられた。
日本では「水は無料」が前提になりがちだが、場所が変われば求められるふるまいも変わる、という当たり前のようで見落としがちなポイントが浮かび上がったかたちだ。
■学校では習わない「大人の常識」を漫画で可視化
大きな反響について、「いろんな人に読んでもらえてうれしい」と話すゐさん。X(旧Twitter)上のリプライや引用リポストには、同じような体験談、飲食店経営者の視点、マナー解説などが集まり、「読者のコメントから学ぶことも多い」と感じているという。テレビ番組で取り上げられた際には、立川志らくさんが作中の男性を「野暮も突き通せば粋」と評したことも印象に残っているとか。
■取材協力:ゐ(@irk_hrk)
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