
監修医師:
阿部 一也(医師)
医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。
ライ症候群の概要
ライ症候群は主に小児に発症する急性脳症の一つで、1963年に病理学者であるReye(ライ)によって提唱された疾患です。
インフルエンザや水痘などのウイルス性感染症にかかった際に、解熱や鎮痛を目的にアスピリンなどのある種の鎮痛薬を投与すると、突然の嘔吐や意識障害、けいれんや肝機能障害などの症状が引き起こされることがあります。日本では、米国の注意喚起を受けてアスピリンの使用制限が導入され、その後の発症率の減少が確認されています。
しかし、先天性代謝異常や他の要因によって発症する可能性も残っているとされており、ライ症候群に関する各国の意見には相違があるのが現状です。

ライ症候群の原因
インフルエンザや水痘などのウイルス性感染症にかかった際、解熱鎮痛剤として投与されるアスピリン(サリチル酸系医薬品)を使用することで、ライ症候群のリスクを増加させる可能性があると考えられています。現在は、インフルエンザや水痘などのウイルス性感染症にかかった小児に対して、アスピリンの使用は原則禁止され、代わりになる解熱鎮痛剤の使用が推奨されています。
このような取り組みによりライ症候群の発症数は減少しましたが、引き続き感染症にかかった際の適切な薬剤選択と、慎重な経過観察が欠かせません。

