ライ症候群の治療
ライ症候群では脳浮腫・肝機能障害が急激に進行するため、生命維持のための集中治療が原則となります。具体的には、全身人工呼吸器による呼吸管理、輸液による循環動態の確保などの全身管理が必要になります。
ほかにも、頭蓋内圧を下げるために、マンニトールや高張食塩液の投与が行われることがあります。また、必要に応じて外科的手段(減圧術)が検討される場合もあります。
場合によっては抗けいれん薬の投与や、ウイルス性感染症に対する薬剤を投与するなど、症状に応じた治療を施します。
治療後も厳重な管理を要するため、血液検査や画像検査などを継続的におこない、全身状態をモニタリングします。
ライ症候群の予後は不良であることが多いですが、早期診断と適切な集中治療により回復する症例も報告されています。
ライ症候群になりやすい人・予防の方法
ライ症候群は、インフルエンザウイルスや水痘ウイルスへの感染により、サリチル酸系医薬品のアスピリンを服用した子どもがなりやすい病気です。予防の基本は、インフルエンザや水痘などのウイルス性感染症に罹った子どもに対して、アスピリンを使用しないことです。
発熱時にはアスピリンとは別の解熱鎮痛薬を使用することが推奨されています。解熱剤としてはアセトアミノフェンが一般的に安全とされていますが、他の薬剤を使用する場合は必ず医師に相談することが推奨されます。
また、ウイルス性感染症を発症したときにアスピリンのような薬剤を使用していない場合でも、子どもの様子がおかしいと感じた場合は、すぐに医療機関へ受診することが重要です。
現在ではこれらの予防策が広く認知されているため、ライ症候群の発症はまれですが、症状や予防の知識を持っておくことが大切です。
関連する病気
インフルエンザ水痘急性脳症
けいれん
参考文献
厚生労働省重篤副作用疾患別マニュアル「小児の急性脳症」
厚生労働省医薬品等安全性情報151号(概要)「ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用について」
厚生労働省小児のライ症候群等に関するジクロフェナクナトリウムの使用上の注意の訂正について
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品・医療用具等安全性情報No.151」
特定機能病院日本大学医学部附属板橋病院「急性脳症」水口雅「インフルエンザ脳症とライ症候群」

