「虐待だ」車外のカーゴキャリアに「犬」を載せた走行が物議、警察の回答は?

「虐待だ」車外のカーゴキャリアに「犬」を載せた走行が物議、警察の回答は?

自動車の後部に取り付けたカーゴキャリア(荷台)に、犬をむき出しのまま乗せて走行する様子を撮影した写真が11月、SNSに投稿され、「危険すぎる。犬は車内に乗せて」「動物虐待」などと批判の声が相次いだ。

カーゴキャリアは、キャンプ道具やスポーツ用具など、車内に載り切らない荷物を運ぶためのものだ。

投稿者によると、岩手県内を走行していた自動車のカーゴキャリアに、犬がリードでつながれた状態で置かれており、しっかり固定もされていなかったという。犬が落下や外へ飛び出すおそれがある状態だったうえ、犬も怯えていていたようだ。

こうした運搬方法に、法的な問題はないのだろうか。岩手県警は弁護士ドットコムニュースの取材に「一般論として、道交法違反や動物愛護の虐待行為に問われる場合がある」とした。

●道交法で禁止していないが…

まず前提として、犬を荷台部分に載せて運搬すること自体が、道路交通法で一律に禁止されているわけではない。ただし、積載の方法によっては、道交法違反に該当しうる。

岩手県警交通指導課は次のように説明する。

「安全運転義務は、道交法70条に規定されていますが、本条は『車両の運転行為そのもの』に関する義務であり、積載方法等に関しては別条に規定されています。

積載方法違反は、道交法55条2項に規定されていますが、本条は、運転者が

・運転者の視野若しくはハンドルその他の操作を妨げる
・後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害する
・方向指示器、ナンバー、制動灯、尾灯等を確認できない

ような積載をして車両を運転することを禁じています。

運転者の遵守事項として、道交法71条1項4号に『貨物の積載を確実に行う等、積載をしている物の転落若しくは飛散を防ぐための措置を講じること』と規定されています」

交通指導課は、これらの規定を踏まえて次のように述べる。

「犬を荷台部分に積載する行為について道路交通法では禁止していませんが、一般論として、その積載方法により道交法違反に問われる場合があります」

●犬が恐怖を感じる状況なら「虐待行為」の可能性も

では、動物愛護管理法には抵触しないのだろうか。

動物愛護管理法では、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた人は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に処するとされている。

岩手県警生活環境課は次のように説明する。

「動物愛護管理法44条1項及び2項に該当する愛護動物への虐待行為とは、一般的に、不必要に強度の苦痛を与えるなどの残酷な取扱いをすることをいいます。

虐待に当たるか否かの具体的な判断については、当該行為の目的、手段、態様、当該行為による苦痛の程度等を総合して、社会通念としての一般人の健全な常識により判断すべきものと解釈されています」

そのうえで、今回のケースについてはこう回答している。

「詳細な状況は不明ですが、犬が極度に怖がり、不安を生じさせているのであれば、心理的抑制や恐怖を与えているとして、愛護動物への虐待行為に問われる可能性があると思われます」

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