血圧の薬の副作用
血圧の薬は、血圧を下げる効果の裏返しとして、もしくは薬に特有の特徴として副作用が起こる場合があります。代表的な副作用と、起こりやすい薬を知っておきましょう。
ふらつき・めまいが出る
薬によって急激に血圧が下がると、脳に十分な血液が行き渡らなくなり、ふらつきやめまいが出ることがあります。
どの血圧の薬でも起こる可能性があり、薬の飲み始めや、量を増やした際に起こりやすいです。
いきなり立ち上がったり急に動いたりすると出やすくなるため、立ち上がる際は何かにつかまり、ゆっくりとした動作を心がけましょう。また、車の運転や危険な作業は避けてください。
症状が続く場合は、薬を処方した内科・循環器科へ早めに相談しましょう。血圧の状態によっては、薬の種類や量を再調整する場合もあります。
むくみが出る
ACE阻害薬・ARBを飲んでいる方に、突然のむくみが起きた場合は「血管浮腫」という副作用の可能性があります。かゆみや赤みはなく、通常のむくみと違い、指で押しても痕が残らないのが特徴です。強いむくみが喉や口の粘膜にあらわれると、呼吸が苦しくなる可能性があるため、早めの受診をおすすめします。また、むくみはカルシウム拮抗薬により血管が拡張することでも起こります。むくみが出ている場合は、心臓や腎臓の機能が低下している可能性があるため、続く場合はかかりつけの内科・循環器科を一度受診しておくとよいでしょう。
乾いた咳が出る
ACE阻害薬を飲み始めてしばらくすると、痰の絡まない乾いた咳(空咳)が出る場合があります。これは、ACE阻害薬の作用によって増えた「ブラジキニン」という物質が気道を刺激するために起こると考えられています。薬を中止すれば治まる副作用ですが、自己判断での中止は血圧コントロールが不安定になるため、危険です。咳がつらい場合は早めにかかりつけの内科・循環器科を受診して相談しましょう。
手足やくちびるなどにしびれが出る
一部の利尿薬では、服用によって体内の「カリウム」というミネラルのバランスが崩れて、しびれや脱力感などが出る場合があります。利尿薬の種類によって、カリウムが多くなりやすいか少なくなりやすいかは異なります。
高カリウム血症:筋力の低下、しびれ、脈の乱れ
低カリウム血症:手足のだるさ、こわばり、脈の乱れ、筋肉痛
放置すると不整脈により致命的となる可能性があるため、かかりつけの内科・循環器科を速やかに受診しましょう。
歯肉の肥厚
カルシウム拮抗薬の中には歯肉の肥厚をきたすことがあります。カルシウム拮抗薬は使用頻度が多いため、歯肉の肥厚は頻度が多い副作用の一つです。一般的には原因となるカルシウム拮抗薬を中止して、他の薬剤へ変更することで改善します。歯科で歯肉の腫れ、肥厚を指摘された場合には、主治医へ相談をしてみましょう。
「血圧の薬」についてよくある質問
ここまで血圧の薬について紹介しました。ここでは「血圧の薬」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
血圧を下げるデメリットについて教えてください。
伊藤 陽子(医師)
血圧を下げるデメリットは、以下のとおりです。
・下がりすぎるとめまい、ふらつきが出る可能性がある
・薬が合わないと副作用が出る可能性がある
・長期的な治療が必要なこともあり、医療費がかかる
ただし、基本的には血圧が高い状態を放置すると、心不全、腎不全、脳卒中などの病気が引き起こされることもあります。この場合には命の危険性もあり、またさらに高額な医療費がかかります。血圧について不安な点がある場合は、早めにかかりつけの内科・循環器科へ相談しましょう。
血圧の薬を飲む目安について教えてください。
伊藤 陽子(医師)
血圧の薬を飲み始めるタイミングは、以下のような複数の要因から総合的に判断します。
・現在の血圧
・基礎疾患の有無(心疾患・脳血管障害・生活習慣病、腎臓病など)
・年齢
・喫煙の有無
血圧がやや高くても、リスクとなる因子が少ない場合は生活習慣の改善による血圧低下を試みます。生活習慣を改善しても血圧が下がらない、もしくは改善が難しいなどの場合は、薬の処方を行います。
どの程度の期間、生活習慣の改善のみで様子をみるかも、リスク因子と現在の血圧によって異なります。

