研究内容
猫から1メートル離れた場所に飼い主さんが座り、猫が飼い主さんのほうを見たら、飼い主さんはゆっくりとまばたきをします。この動作を繰り返すこと約2分間、猫と飼い主さんの様子をカメラで記録。ついで、同じ方法で飼い主さんがまばたきをしない場合の様子も記録しました。
結果は、飼い主さんがまばたきをしないときよりも、ゆっくりとまばたきをしたときのほうが、猫はゆっくりとまばたきを返すことがわかりました。
ほかにも、人が猫にむかってゆっくりとまばたきをする場合のほうが、無表情の場合よりも猫は人に近づく傾向があることがわかった研究や、保護施設において人のまばたきに反応する猫がより早く譲渡される傾向にあることがわかった研究などがあります。
後者の研究は、保護施設の猫24匹を対象に猫が人のまばたきに目を細めるかどうかを調べ、その後、新しい飼い主さんに迎え入れられるまでの日数を調べたものです。
【研究結果】ゆっくりまばたきすることで猫とより親密になれるかも
こうしたさまざまな研究を考え合わせると、まばたきは猫と人の間で友好的なサインとして機能していることが推察されます。とくに「ゆっくりのまばたき」は、猫との関係性を育むうえで、効果的であるといえるでしょう。
猫は飼い主さんの顔を覚えているだけでなく、ほかの人と識別していることがわかりました。愛猫がきちんと自分のことを認識してくれていると思うと、うれしいですよね。
お話を伺った先生/子安ひかり先生(麻布大学獣医学部動物応用科学科特任助教 ネコ研究集団「CAMP NYAN TOKYO(キャンプ ニャン トウキョウ)」メンバー)
参考/「ねこのきもち」2025年11月号『視線の研究に絆を強めるヒントがあった!猫と飼い主さんの「見る」「見られる」でわかったこと』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
