高齢の家族を介護していると、ちょっとした日常のやり取りや段差でも不安が募り、ついイライラしてしまうことはありませんか? 介護の負担を軽減し、家族の安心につなげる方法について、介護福祉士の佐藤さんに解説していただきました。

監修介護福祉士:
佐藤 恵美(介護福祉士)
1976年生まれ、愛媛県出身。介護・福祉系ライターとして活動中。高校卒業後、販売や営業事務職を経験。30代後半から通信制の大学や専門学校で学びながら看護助手として勤務。夜勤もこなしつつ、介護福祉士、社会福祉士など複数の資格を取得。現在は老人保健施設で支援相談員として従事している。
編集部
高齢者を介護する上で気をつける点は何でしょうか?
佐藤さん
いくつかポイントがあります。高齢者の介護にあたって特に気をつけたいのはこちらの点です。・傾聴姿勢を心掛ける
・慌てない
・相手を「待つ」気持ちを持つ
・落ち着いた声かけ
高齢者は動作が遅くなり、想いを言葉にするのもゆっくりになります。大切なのは急かさずに待つことです。途中で言葉を遮られたり、「早くして」などと言われたりすると自尊心を傷つける結果に繋がります。介護者自身がゆったりと構えて受け入れる姿勢で臨むと、ご本人も安心できます。
編集部
傾聴とは何ですか?
佐藤さん
相手の話に耳を傾け、同意や共感を持って関わることです。認知症の高齢者は何度も同じ話を繰り返す人が多いので、聞いている介護者はイライラしてしまう時があります。しかし、本人の話に頷く姿を見せるだけで「この人は私の話を聞いてくれるのだ」という安心感を持ってもらえるので、結果的に落ち着いて過ごせるようになります。
編集部
身体的に注意すべき点はありますか?
佐藤さん
高齢者は注意力が低下しているケースが多いので、ちょっとした段差にもつまずきやすくなっています。そのため、転倒防止対策はしっかりおこなう必要があります。高齢になると骨がもろくなり、一度の転倒が骨折や寝たきり状態に繋がる恐れもあります。そのため住環境の整備は必須です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤さん
在宅介護は大変負担の大きいものです。しかし、「家族のことだから家族で」と考えてはいけません。責任感を持って介護にあたるのは素晴らしいことですが、身内だけで介護を続けるのは限界があります。介護を頑張り過ぎてご家族が倒れてしまっては、元も子もありません。苦しい気持ちを誰かに聞いてもらったり、時には介護を専門家に任せたりして、自分が息をつける時間を作るのが介護うつを回避するコツです。
※この記事はメディカルドックにて【“介護疲れ”から“介護うつ”にならないために 介護のストレス・疲れを軽減する方法を介護福祉士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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