ようやく離婚を決意した
しばらくすると、穂乃花の離婚原因が勇との不倫だったという噂は、徐々に近所に広まった。そのせいで私も同情的な目で見られるが、もっと悲惨なのは穂乃花と勇だ。穂乃花はママ友の話に入れなくなり、たびたび送迎のために園を訪れる勇は白い目で見られていた。
そしてナナミが春休みに入ると同時に、私たちは離婚。不倫発覚から1年半ほどの月日が経っていたが、ようやく勇に愛想が尽きたのだ。なぜ私は、こんなに悩んでいたのだろう。清々しい変化が、時間をかけて私の中で起きていた。
離婚する時、私は条件を提示した。ナナミとトオルはこちらで引き取り、養育費は前払いすること。それさえしてくれれば勇と穂乃花の関係について、もう今後は関知しない。
「ようやく穂乃花と一緒になれる。結婚すれば、もう誰も俺たちを嫌な目で見ないだろう」
彼はもう次の結婚生活に期待しているのだろう。私は離婚届を持って、清々しい気持ちで子どもたちと実家に帰った。
あとがき:冷静に考えたうえでの選択「離婚」
勇のあまりに酷い考え方に鬱々とした朱里。離婚に踏み出す力がない彼女の背中を押したのは、不倫相手の夫・篤志の「重大な決断は後でもいいのかもしれない」という言葉でした。それが彼女に余裕を持って離婚準備を進める助言となったようです。朱里は離婚を選び、卑しい夫との別れを決断しました。
感情に身を任せて焦って行動すると、時に後悔する場合もあります。気弱なせいですぐに動けなかった朱里ですが、迷い続ける中で冷静になれたのはよい効果だったのかもしれませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。
記事作成: hiiro
(配信元: ママリ)

