できる限り封印したい、よく使う言葉
自宅を出発前に思わず出てしまう言葉の一つに「早くして」があるのではないでしょうか。私は保育士として働くときは、心に余裕があるので言わないのですが、自分の子どもには油断すると言ってしまいがち。とくに、わが家の娘はこの「早く」と言う言葉に反応しやすい子で、「早く」と言うと、4倍くらい行動が遅くなります。何なら、泣き叫んで学校に行くのをボイコットすることも! とほほほほ……。
まあ、私の例は、とっても極端なのですが「早くして」を言わなかったほうが、子どもが意欲的に動いてくれることが多いようです。では「早くして」以外に何を言えばいいのか。
1つは「何も言わずに待つこと」。子どもは子どもなりに準備している最中です。子どもを信じて待つことも大切です。2つ目は、普段言っている言葉の「早く」を削除します。たとえば「早く歯を磨きなさい」と言っているなら、「そろそろ、歯を磨こうか」に言い換えるだけ。同じことを言っているけれど、印象が変わりますね。
また「早くして」を言わなくても済むように、前の晩に荷物や服の準備をしておく、朝食は食べやすいおにぎりにするなど、ちょっとした工夫をすることでも変わってきますよ。
今回は、保育士としてはできているはずなのに、わが子の子育ては、失敗に失敗を重ねた私だからこそ話せるお話でした。毎朝の忙しさの中で、少しお役に立てればうれしいです。
作画:はたこ
著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。

