「5万円払った方がマシ」という本末転倒な現実
さらに問題なのは、「置いても地獄、置かなくても地獄」という詰み状態です。
もし条例に従ってゴミ箱を設置すれば、再び「持ち込みゴミ」が殺到し、処理費用は年間数十万~百万円単位で発生します。しかも、ゴミがあふれれば「管理不十分」で罰金の対象になりかねません。
ネット上では、事業者と見られるユーザーからこんな悲痛な声も上がっています。 「正直、ゴミ箱の維持管理費より、年に数回5万円の罰金を払った方が安上がりだ」 「行政が公共ゴミ箱を設置せず、民間に丸投げするのはおかしい」
賛成派からは「売った側の責任は当然」「少しでも街が綺麗になるなら」という声もありますが、圧倒的多数は行政の姿勢への疑問です。
「罰金」というムチだけで、本当に美しい街は作れるのか……。30年かけてこじれたゴミ問題のツケは、またしても現場に回されようとしているのかもしれません。
(足立むさし)

