歴史的背景と事務所への批判
ニンニンさんは旧満州、黒竜江省ハルビン出身。この地域には、今も日本語を話す親日的な人々もいますが、日本陸軍731部隊が活動してい場所としても知られており、その歴史的背景から反日感情を持つ人々が多いのも事実です。そのため「ハルビン出身なのに日中関係の歴史を全く知らず、きのこ雲に酷似したランプに何も意図がなかったとするのは不自然ではないか」という意見も少なくありません。また、今回の批判は、ニンニンさん本人に対するものだけでなく、所属事務所であるSMエンタテインメントにも向けられています。
このような背景の中で、今年12月には全員が日本人メンバーで構成されたガールズグループ「GPP」のデビューが発表されました。これに対して、「そんなことで売上に貢献してくれる日本人に媚びるより、今のグループの反日思想をどうにかするべき」という事務所側への批判も、今回のニンニンさんの炎上で取りざたされています。
国民感情と紅白の「日本らしさ」を巡る摩擦
そもそもK-POPアイドルの紅白出場に関しては、毎年のように「若者しか知らないのに出場するのはおかしい」「日本の年末を彩る紅白なんだから日本の歌手を出さずに韓国ばっかりでウンザリ」といった否定的な声は少なくありません。
いくら若者に人気で世界的に活躍しているとしても、日本らしい大晦日を感じたい歌番組にK-POPグループが何組も出場している状況を憂う人が多いのも仕方がないことでしょう。今回のニンニンさんの大炎上は、こうしたここ数年の「紅白に韓国歌手を出さないでほしい」という悶々とした国民感情に大きな火をつけたことは間違いありません。これまでもK-POPアイドルが日本の戦争被害を揶揄したり、日本人の国民感情を逆撫でしたりするようなデザインのTシャツを着て炎上したこともありました。しかし、今回は戦後80年という節目の紅白歌合戦というタイミングでの炎上ということもあり、今まで以上に大きく炎上している様子です。
ネット上では今なお批判の声はやまず、ついにはaespaの紅白出場停止を求めるオンライン署名が12万件を超える大騒動に発展しています。
こうした止まないaespaの紅白出場停止を求める声を受け、12月2日にNHK側は改めてaespaの紅白出場を取りやめる意向はないという立場を明らかにしました。現時点では当初の予定通り、彼女たちが紅白初出場を果たすことは確実視されています。
しかし、このNHKの見解や発表によって、さらに批判がNHK側にも向けられてしまうのではないでしょうか。果たしてaespaの紅白出場はどうなるのか、まだまだ目が離せない状況となりそうです。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中

