
俳優の結木滉星が12月10日(水)に31歳の誕生日を迎える。本記事では、「貪欲に駆け抜けたい」と語った30歳の1年間を振り返り、俳優としての今後のビジョン、奇しくも自身の誕生日と同時に最終回を迎える出演中のドラマ「ESCAPE それは誘拐のはずだった」(毎週水曜夜10:00-10:54)で演じた、“これまでのイメージと距離のある役”への向き合い方についてきいた。
■俳優としてやりがいのある年に…30歳という節目の年
ーー「貪欲に駆け抜けていきたい」と言っていた30歳。振り返ってみてどうでしたか。
色々な役と巡り合ったことで新しいジャンルにも挑戦できた、学びの多い1年間でした。挑戦を通して初めて気づくこと、より深く知れたことなども多く、人としてステップアップできたかなと思います。
ーー映画、ドラマ、CMに出演するなど様々なジャンルでご活躍の年でした。印象的なできごとはありますか。
これまでのイメージとは少し離れた役をやらせてもらったことでしょうか。これまでは割と硬派で真面目な役を演じさせてもらう機会が多かったんです。
30歳になってからは、復讐心から犯罪に手を染めたりとか、ただただ悪い奴だったりだとか、“硬派で真面目”とは違う役に挑戦させていただき、俳優としてやりがいのある年になったと感じています。
ーー今後の俳優・結木滉星の展望をお聞かせください。
今後も、そういった“俳優としての幅”を広げることのできる役も多く演じることができればと思っています。幅をもっともっと広げることで、様々なジャンルの作品に必要とされる俳優になりたいです。
あとは、やっぱり主演の作品を持てるように頑張りたいですね。俳優をやっているからには主役として一つでも多くの作品と向き合っていきたいと思っています。
まずは、30歳以上に“役に生き、突っ走る”1年間にしたいですね。

■従来のイメージと離れた「とにかく嫌なやつ」を演じて
ーーイメージと離れた役…というところでは、ドラマ「ESCAPE それは誘拐のはずだった」で、ヒロインを誘拐する犯人グループのひとり、山口健二を演じられました。
山口は一言でいうと、とにかく嫌な奴です。プライドが高くて自分の思い通りにいかない事は全て人のせいにしてキレやすい。良い部分を探すのが難しいような人物ですね(笑)。
演じる上で監督は「とにかく悪くあってほしい」と。僕の最初のイメージは、炎で表現すると青い炎だったんですけど、監督は真っ赤な炎っていうイメージを持っているなと感じたので、山口をもっと感情的に作っていいんだと思って演じました。
ーー主演の佐野勇斗さんとは、序盤は誘拐犯グループの仲間、後半は対立する関係になりました。演じる難しさはありましたか。
僕の中では「仲間」から「対立する関係」に変化したという感覚はありません。
前半の誘拐するシーンでも山口からしたらリンダ(佐野)を利用してるだけだったので、そもそも「仲間なんて思っていない」という表現が正しい気がします。一貫して自分の私利私欲のために、自分だけが美味しい思いができればいいと思って演じていたので、序盤と後半で関係の変化などを意識した演じ分けをする…といったイメージはありませんでした。
基本的には勇斗と現場で役や演技について話し合うといったことはなかったのですが、普段仲がいいだけに、役の上ではそれが出ないように…ということくらいですかね(笑)

■「逃げてはいけない問題に立ち向かう勇気」を感じてもらえる作品に
ーー「ESCAPE それは誘拐のはずだった」第9話では、山口が特に物語のキーマンとなるエピソードが披露されました。第9話の山口を演じた感想、また演じた際に特に力を入れたポイント、山口に抱いた感情をお聞かせください。
台本をいただいた時点で山口の卑劣さを凄く感じました。なので逆に役を作りすぎずに、現場での空気感に任せたいと思いました。実際にあの一連のシーンは順番通り撮影していったので、その流れのまま感じた通りにお芝居しようと思っていました。そういう意味では実はリラックス出来ていたのかなと思います。
ーー最後にファンの皆様と、いよいよ最終回を迎える「ESCAPE それは誘拐のはずだった」をご覧になっている視聴者にメッセージをお願いします。
この作品は題名の通り逃亡するお話ですが、逃げてはいけない問題に立ち向かうというメッセージが込められた作品だと思います。ハチ(桜田ひより)とリンダのように、皆さんにも自分自身の抱えている問題から逃げずに立ち向かう勇気を少しでも与えられる、そんな作品になればいいなと思っています。


