●「結婚の自由をすべての人に」訴訟との違い
会見では、弁護団の伊藤建弁護士が、全国で進む「結婚の自由をすべての人に」訴訟(いわゆる同性婚訴訟)との違いを説明した。
「『結婚の自由をすべての人に』訴訟は、同性婚を認めていない現行の民法が憲法違反であるという、立法不作為を主張しています。仮に違憲判決が出たとしても、裁判所は違憲であると宣言するにとどまり、実際に同性婚が認められるためには国会による法改正が必要です。
過去の例では、最高裁判決後の法改正までに22年かかったケースもあり、高市早苗首相は同性婚に明確に反対の立場を表明しています」
こうした事情を踏まえて、すでにフランスで婚姻が成立している2人については、立法不作為を争うのではなく、家事審判の申し立てという手段を選んだという。
「前提として、民法は憲法の下位に位置するため、もし同性婚を認めないことが憲法違反であれば、民法も憲法に適合するように解釈されるべきだと主張しています。また、民法には同性婚を明確に禁止する規定も存在しません」
●尼崎市長「同性婚は立法不作為」
この申し立てに対して、尼崎市長側は「同性婚を認めないことは、憲法違反ではない」「同性婚は立法不作為であり、違憲であるとしても立法が必要」と反論している。
申立人側は、2025年内をめどに主張をおこない、裁判所に審判を求める方針だ。

