頭痛で受診した際、どの科を選ぶかで診断の精度が変わることをご存じでしょうか。脳の病気はもちろん、歯のトラブルなど思わぬ原因を見抜けるケースもあるのです。受診する科による違いや診断のポイントについて尾﨑先生に解説していただきました。

監修医師:
尾﨑 聡(えびな脳神経外科)
山口大学医学部卒業、山口大学医学部大学院修了。その後、各医療機関で脳神経外科医としての経験を積んだ後の2014年、神奈川県海老名市に「えびな脳神経外科」開院。法人化に伴い、「NALU」理事長就任。脳の病気の予防や後遺症、生活障害にも注力した地域診療を提供している。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本脳卒中学会専門医。
編集部
受診する標榜科によって、原因特定の確率は変わりますか?
尾﨑先生
一般的な内科よりも、脳神経外科や脳神経内科の方が原因を洗い出せる可能性は高いでしょう。「脳に特化した標榜科」というイメージをもたれると思いますが、頭痛に限って言えば脳以外も診ます。例えば、「むし歯によって頭痛が起きている」ということも診断できるのです。
編集部
そうだったのですね。一般的な内科ならむし歯まで診ませんよね?
尾﨑先生
はい。むし歯に気づかないこともあり得るでしょう。そのことによって「原因不明」と診断された可能性も考えられます。脳神経外科や脳神経内科の役割は、“脳に起きていることを、周辺領域も含めて探る”ことにあります。もちろん、脳をよく調べてみたら特定の脳の病気が見つかったということも考えられるでしょう。
編集部
調べ方も専門領域で違いが出るということですか?
尾﨑先生
MRIやCTを撮らずに「原因不明」と決めつけるのは論外にしても、撮った画像をどう読み解くかについてですよね。やはり、内科よりも脳神経外科や脳神経内科の先生の方が脳の関する勉強はしていますし、場数もこなしていらっしゃるでしょう。
編集部
なおかつ、片頭痛の新薬のような情報も随時、アップデートしている?
尾﨑先生
そのとおりです。ただし、片頭痛の新薬には一定の処方制限があります。まずは一般的なアプローチを試みることになっているため、初手から処方されるとは限りません。片頭痛以外の頭痛ならなおさらです。また、くも膜下出血などの重篤な頭痛のケースもあり得るので、最初から専門外来を受診するのが安心なのではないでしょうか。
※この記事はメディカルドックにて【思わぬ盲点! 原因不明の頭痛に対して、専門クリニックがしていること】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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