「橋本病」に初期症状はあるの?【医師監修】

「橋本病」に初期症状はあるの?【医師監修】

橋本病の初期症状は非常に見逃しやすく、多くの患者さんが「年のせい」や「ストレス」と考えがちです。しかし、慢性的な疲労感や倦怠感、体重増加などの症状が組み合わさって現れる場合、橋本病の可能性を疑う必要があります。甲状腺ホルモンの分泌低下により身体の代謝機能が全体的に低下するため、早期発見と適切な診断が症状改善の鍵となります。

墨屋 貴大

監修医師:
墨屋 貴大(医師)

【経歴】
国際医療福祉大学病院にて2023年4月から2025年3月まで初期臨床研修を修了し、幅広い診療科における臨床経験を積んできました。
その後、2025年7月より東京大学大学院 医学系研究科 免疫学教室(高柳研究室)に所属し、免疫学分野の基礎研究に従事しています。臨床で得た視点をもとに、免疫の仕組みと疾患との関わりを解明し、再生医療や先進的治療法の発展につなげることを目指しています。

橋本病の初期症状を見逃さないために

橋本病の症状は段階的に現れることが多く、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、病気の進行とともにさまざまな症状が現れてきます。

疲労感と倦怠感の特徴

橋本病の代表的な症状の一つに、慢性的な疲労感と倦怠感があります。この症状は単なる疲れとは異なり、十分な休息を取っても改善されないことが特徴です。患者さんの多くは「朝起きるのがつらい」「日中も眠気が取れない」「やる気が起きない」といった症状を訴えます。
甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、身体の代謝機能が全体的に低下し、エネルギー産生が不十分になるために起こります。この疲労感は徐々に進行するため、患者さん自身が「年のせい」や「ストレス」として見過ごしてしまうケースも少なくありません。
重要なのは、この疲労感が他の症状と組み合わさって現れることです。体重増加や冷え性、便秘などの症状と一緒に疲労感が続く場合は、橋本病の可能性を考慮して医療機関を受診することをおすすめします。

体重増加と代謝の変化

橋本病では甲状腺機能の低下により、基礎代謝率が大幅に減少します。その結果、これまでと同じ食事量を摂取していても体重が増加しやすくなります。患者さんの中には「食事の量を変えていないのに太ってきた」「ダイエットをしても体重が落ちない」という悩みを抱える方もいます。
代謝の低下は単純な体重増加だけでなく、脂肪の蓄積パターンにも影響を与えます。特に顔や首回り、お腹周りに脂肪が蓄積しやすくなり、全体的にむくんだような外見になることがあります。また、筋肉量の減少も同時に起こるため、体重は増えても体力は低下するという矛盾した状況が生じます。
この症状は患者さんの自尊心にも大きな影響を与え、外見の変化により社会生活に支障をきたすケースもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。医師と相談しながら、食事療法と薬物療法を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。

まとめ

橋本病の初期症状は段階的に進行するため、単一の症状だけでなく複数の症状が同時に現れる点に注目することが大切です。十分な休息を取っても改善されない疲労感や、食事量を変えていないのに体重が増加する症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。適切な診断により、症状の進行を抑制し生活の質を改善することが可能です。

参考文献

甲状腺の病気と検査(国立がん研究センター)

甲状腺機能低下症(厚生労働省)

重篤副作用疾患別対応マニュアル(厚生労働省)

甲状腺ホルモン不応症(指定難病80)(難病情報センター)

配信元: Medical DOC

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