いつもぼんやりと座る寡黙な高齢者Kさん…私に初めてつぶやいた言葉とは【体験談】

いつもぼんやりと座る寡黙な高齢者Kさん…私に初めてつぶやいた言葉とは【体験談】

初めて聞いたKさんの言葉

Kさんは家にいることが多くなり、前よりぼんやりした空気が漂っているなと気になり始めたある日のこと。配達の折、Kさんがふと私の車の後方を見つめ、口元を動かしました。「え? どうかしましたか?」とお聞きすると、「く、空気が……」とかすれた小さな声が。見ると、タイヤの片側が沈んでおり、釘を踏んでいたことに気づきました。


私は驚きつつ、Kさんにお礼を言って、すぐに近くのガソリンスタンドへ修理に向かいました。Kさんが教えてくれなければ、そのまま走り続けていたかもしれません。初めて聞いたKさんの言葉は本当に必要最小限でしたが、よく教えてくれたな、とKさんの優しい一面に触れた気がしました。

変わっていったKさんの印象

それまで、寡黙なKさんは自分の世界に閉じこもっている印象でした。しかし、改めて見回すと、ところどころにKさんが周りに心を開いていることを感じさせるものがありました。作業場の奥には、手作りのジャングルジムやブランコなど、小さい子ども向けの遊具があり、Kさんが当時は子ども、あるいは孫をかわいがっていた様子が伺えました。


また、Kさんのまわりにはいつも2匹の猫がいます。Kさんのあとをつかず離れず、ずいぶんと懐いているようでした。

Kさんなりに静かなコミュニケーションをとりながら自分らしく暮らしているんだなと思えました。


先日、プライベートで車を運転しているときにKさんを見かけました。車通りの多くない住宅地の路地を少し息を切らしながら規則正しいリズムで黙々と歩いていました。自分なりの健康対策に何とか取り組もうとするKさんの意志を感じてハッとしました。

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