皇居財布に500人の列「異常な売れ行き」、フリマ転売も…販売団体が対応に苦慮「趣旨と合うものではありません」

皇居財布に500人の列「異常な売れ行き」、フリマ転売も…販売団体が対応に苦慮「趣旨と合うものではありません」

皇居東御苑の売店で販売される「皇居財布」が、爆発的な人気となっている。開店前から長蛇の列ができ、朝の段階で500人に達する日もあるという。一方で、フリマアプリでの転売が横行し、売店を運営する公益財団法人は対応に苦慮している。

●販売再開の9日には400〜500人が列「売れ行きは良いどころか異常です」

「皇居財布」と呼ばれている財布は、皇居東御苑の売店で販売される牛革製のものだ。

皇室の「菊の御紋」は一般使用が禁止されているため、菊の紋章をアレンジした独自のマークが入っている。

種類も豊富で、最も高額なものでも5千円ほどと手頃な価格。口コミが広がり、メディアにも取り上げられたことで、人気は右肩上がりに高まった。

開店前から行列ができるため、特に人出の多い「乾通りの一般公開」(11月29日〜12月7日)と休園日の12月8日は販売を停止していた。

売店を運営する「菊葉文化協会」の担当者は、販売を再開した12月9日午後、弁護士ドットコムニュースの取材に「売れ行きが良いどころか、異常です」と"悲鳴"を上げた。この日は朝から400〜500人が列を作ったという。

「以前から販売している財布なのですが、昨年ころから『良い日に財布を使い始めるとよい』などとネットで話題になり、今年11月ころから爆発的にほしいというかたが増えました」(担当者)

なかでも人気の高いゴールドやピンクのカラーの長財布は、開店から1時間も経たずに完売するそうだ。それがなくなると、財布以外の定期入れや名刺入れなどの革製品もすべて売れる。

●転売は財布を用意した趣旨に合わない

菊葉文化協会が頭を抱えているのは、フリマアプリでの転売だ。

メルカリでは、皇居財布が数多く出品されている。なかには4万円以上の金額がつけられているものも確認できた。

「公益財団法人として利益を求めず、趣旨は皇室や施設の紹介にあります。皇居に来てくださったかたのお土産になるものとして財布を店に置いています。ですから、財布だけ買いにくるとか、あるいは転売するといったものは、そのような趣旨にそぐわないのです」(協会の担当者)

「本来欲しい方に届かない」という苦情も寄せられる状況で、いよいよ協会としても「どうにかならないのか」と悩んでいる。

転売対策を検討しつつあり、すでに「1品につき1人1個」の販売個数制限を設けている。行列を作らないことも課題だ。

皇居財布の転売は必ずしも望ましいものではない──。そのような認識が広がることも、混乱を抑えるために必要と言えるだろう。

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