苦しみを経て得た「幸せかの問いかけ」
あの時再構築をしようとした私にあったのは「勇への愛」ではなく「日常への執着」だった。平凡な日々を壊されたくない…それだけの気持ちで、大きな問題を見落としていた。大切なのは日常の維持じゃない。真に安らげる環境であるかどうかだ。
5年経ち、ナナミは6年生、トオルも小学校に入学。元気に学校に通う彼らを見て、再構築ではなく離婚を選んだのは間違いではなかったと思える。慰謝料もきっちり回収でき、元夫・勇と、ママ友だった不倫相手・穂乃花とは疎遠だ。
「それって、本当に幸せなの?」と問いかけてくれたみどりに、今でも感謝している。あれから迷う時や苦しい時、それは本当に“私の幸せ”なのかを、自分に問うようになった。だから今なら、みどりに対して笑顔で答えられるだろう。
「うん。幸せだよ」――と。
あとがき:大切なのは冷静に決断できる環境を整えること
生活を整えた後に、慰謝料請求をしようと決意した朱里。気弱で大人しい彼女でしたが、さまざまな人たちの支えや助言もあり、本当の自分の幸せについて考えることができました。すぐに行動を起こさなくても、ゆっくり自分のペースで見つめ直せばいい。大切なのは「正常に判断できるよう心を整えてから、トラブルに対処すること」だということを、この物語は教えてくれました。
人生にはたくさんの問題や不幸はつきものですが、冷静に考えることができれば、きっと幸せを見失うことはないでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。
記事作成: hiiro
(配信元: ママリ)

