もちこさんは痴漢から逃げるために知らない駅で降り、追って来られないように人波に紛れて商店街を歩きました。
©mochiko_0203
冷静な判断で痴漢から逃げ切ったもちこさんは、公衆電話からお母さんに電話をかけ迎えを頼みました。途中の駅で降りた理由を聞かれても、お母さんに本当のことは言えませんでした。
子どもは性被害を受けても、気まずさや罪悪感から保護者に助けを求められないことがあります。わが子の様子が普段と違うと感じたら、問い詰めるのではなく話しやすい雰囲気を作って寄り添いましょう。
痴漢にあったことを「言えない」子どもたち
©mochiko_0203
©mochiko_0203
今作の主人公・もちこさんのように、痴漢の被害に遭っても声を上げられない子がいます。被害に遭ったこと自体に気づけなかったり、大人に話すのが気まずかったり、あるいは「自分が悪いのかもしれない」と感じてしまったりと、その背景には子ども特有の複雑な心理があります。
しかし、痴漢は弱い立場を狙った卑劣な犯罪であり、決して被害者の責任ではありません。この問題をなくしていくためには、子どもたちが安心して助けを求められる環境を整えることが欠かせません。
大人ができることの一つは、自分の身体を守る大切さを日常の中で具体的に伝えていくことです。「水着で隠れる場所は、あなただけの大切な部分。誰かが勝手に触ってはいけないんだよ」と教えることで、子どもは自分の身体に境界線を引きやすくなります。また、もし「嫌だ」「怖い」と感じることがあったときは、それは絶対に子どものせいではないと繰り返し伝え、安心して大人に話せるようにしてあげることも重要です。
さらに、普段から子どもの話を丁寧に聞き、小さなことでも真剣に受け止める姿勢を示すことが大切です。そうした積み重ねが、いざというときに「この人になら相談できる」という信頼関係につながります。
痴漢は抵抗できない弱い立場の人を狙った卑劣な犯罪です。小学生だからと安心せず、具体的な危険や身の守り方を日ごろから伝える必要があります。『小学校低学年のときに痴漢にあった話』は、痴漢被害の根深い問題について改めて考えさせてくれる作品です。
記事作成: chochiro629
(配信元: ママリ)

