●保釈請求は何度でもできるが‥
保釈請求には特に回数制限などはないため、弁護側は今後も繰り返し請求を行うことができます。ただし、事情が変わらなければ裁判所の判断も覆らないのが通常であるため、保釈に有利な新しい事情が必要です。
最も効果的なのは被害者との「示談成立」ですが、今回は被害者の遺族から示談交渉を拒否されていると報じられており、現時点では困難と考えられます。
他に考えられるのは、信頼できる身元引受人による監督を誓約したり、逃亡や証拠隠滅が物理的に不可能であることを示すため、GPS(位置情報端末)の装着を条件として提案するなどの弁護活動が考えられます。
なお、GPS装着についての改正刑訴法の施行はまだですが、実務上GPS装着を条件とした保釈について裁判官と弁護人の間で協議が行われることはあります。
また、裁判手続きが進むことも要素の1つになりえます。公判が開かれて手続が進んだ段階、たとえば罪状認否が終わったとか、証拠調べ請求が終わったとか、証人尋問が終わった、など、具体的な手続が進めば進むほど、被告人が証拠に手を加える危険性が減っていくことになります。そのため、罪証隠滅の恐れが薄れたとして保釈が許可される可能性は高まります。
●保釈保証金の納付が必要
保釈が認められる際には、逃亡防止等の担保として「保釈保証金」を納める必要があります(同法94条)。
一般的な相場は1つの事件について150万〜200万円程度と考えられますが、金額は被告人の資産状況や事件の性質によってまちまちです。このお金は、逃亡や証拠隠滅をせずに裁判を終えれば、判決後に返還されます。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

