「お詫びと検討」 連盟の迅速な反応
しかし、事態は即座に動きます。
会見が行われた同日、日本将棋連盟は公式サイトで異例のスピードで声明を発表しました。
「福間女流六冠に悲しい思いをさせてしまったことを心よりお詫び申し上げます」
連盟は謝罪した上で、女流棋士会からのヒアリングを行い、母体の安全と当事者の意思を尊重した柔軟な仕組みを検討すると表明。これまでの「前例踏襲」から大きく舵を切る姿勢を見せたのです。
この連盟の対応を受け、SNS上の空気は一変しました。
当初は怒りや嘆きが混じっていたタイムラインに、連盟の誠実な対応を評価する声があふれました。関連投稿の約8割が連盟の声明を支持しています。
「回答発表が早い! 批判を恐れず謝罪し、改善を約束したのは素晴らしい」
「福間さんの勇気が、古い慣習を変えるきっかけになった」
「棋士」への挑戦も見据えて
今回の件で福間さんが問題提起したのは「女流タイトル戦」の規定ですが、彼女の挑戦はそれだけにとどまりません。
福間さんは現在、女性として史上初となる「棋士(プロ棋士)」の資格取得を目指し、編入試験への挑戦も表明しています。「女流棋士」のトップとして、そして「棋士」を目指すパイオニアとして。
二つの道を切り拓こうとする彼女にとって、出産がキャリアの足かせになってはならない。 12月10日は、将棋界だけでなく、すべての働く女性にとって「希望」が灯った一日として記憶されることになりそうです。
(LASISA編集部)

