補助人工心臓装着後の注意点
補助人工心臓装着後は、感染症と血栓を防ぐ管理が日常生活で最も重要です。留意しなければならない注意点を5つあげて解説いたします。
ドライブラインの管理
補助人工心臓のドライブラインとは、体内のポンプと外部の電源をつなぎ、補助人工心臓を動かす電気を送る大切なコードをいいます。ドライブラインは体内に入るため、皮膚貫通部に細菌が入り込むと、感染症の原因となるので注意が必要です。特に、シャワー時の防水対策が必要です。
職場での対応
補助人工心臓を装着した患者さんは治療を受けながら、職場復帰が可能です。そのため、職場でアクシデントが発生した際の連絡体制、緊急時の手順を明らかにして、職場で情報共有することが大切です。
スポーツ
転倒やぶつかることが多いスポーツでは、機器が損傷する可能性が高いです。ラグビーやバスケットボールなどの接触スポーツは避けましょう。
けがをしやすい行動
体を傷つける可能性がある作業は避けましょう。抗凝固薬を服用しているため、出血しやすく、けがが重症化することがあります。
自動車の運転
突然の補助人工心臓の停止や脳血管障害の発生よって意識を失い、大事故に至る可能性があるため、自動車は避けましょう。改定道路交通法において、意識を失う可能性のある患者さんの自動車運転は禁止されています。
「補助人工心臓」についてよくある質問
ここまで補助人工心臓を紹介しました。ここでは「補助人工心臓」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
補助人工心臓のデメリットについて教えてください。
佐藤 浩樹 医師
日常生活に制限が生じてしまう点です。たとえば、体外に伸びるドライブラインを通じて感染症のリスクがあるため、常に清潔を保つ意識が求められます。また、血栓などの合併症を防ぐため抗凝固薬の内服が必要となります。このため、出血時には止血しづらくなるため、出血を伴う行動には十分な注意が必要です。さらに、装着後は定期的な通院が欠かせず、これらは心理的・身体的負担につながる可能性があります。
まとめ
補助人工心臓は、重症心不全の患者を救う重要な治療法であり、心臓移植までの橋渡しや長期治療として大きな効果を発揮します。寿命の延長にもつながります。一方で、感染症、出血、バッテリー管理の負担、日常生活の制限といったデメリットも存在します。装着後は医療チームと連携しながら慎重に生活管理を行うことが必要です。
「補助人工心臓」と関連する病気
「補助人工心臓」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器系
拡張型心筋症
虚血性心疾患(心筋梗塞など)
心筋炎先天性心疾患(単心室症など複雑心奇形)
心臓弁膜症
拘束型心筋症
急性心不全これらの疾患は心臓のポンプ機能が著しく低下し、命に関わる重症心不全へ進展する可能性がある疾患です。通常の治療が有効でない場合、補助人工心臓が治療の選択肢として重要となります。
「補助人工心臓」と関連する症状
「補助人工心臓」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
息切れ
呼吸困難
浮腫
全身倦怠感
胸部圧迫感
動悸めまい意識消失
手足の冷感
これらの症状は、心臓の働きが弱り全身に十分な血液を送れなくなった際に現れる代表的なサインです。進行すると重症心不全につながるため、早期受診と適切な治療が重要です。
参考文献
2021年改訂版 重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン|日本循環器学会
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