完全に目を覚ました私の決断
正直「痴漢の常習犯」と聞いた時、離婚を考えなかったわけではなく、本当は引いていました。でも、佳文から父親を取り上げていいのか、引っ越してやり直せばいいのではないかと、ずっと堂々めぐりでした。
でも、この手紙を読んだ結果、それは間違った考えだとわかりました。こんな男を佳文の父親にしておく意味はない。こんな男と夫婦でいたくない。私は、佳文と2人で生きる覚悟を決めました。
私は彼に手紙を書きました。
「離婚しましょう。慰謝料はいりません」
文也は私の変わりっぷりに動揺していましたが、私の意志が変わらないことがわかるとあきらめたのか。離婚が決まりました。離婚成立までは少し時間がかかったのですが、それからは気持ちが楽になりました。
こんな悪夢のような日々から20年あまりが経った今、小さかった息子も立派に巣立ち、私はのんびり生きています。
今、夫のことで悩んでいる方には、ぜひ自分だけで抱え込まないでほしいです。話を聞いてもらうだけでも、きっと楽になるはず。あなたには幸せになる権利があるのだから、じっくり考えてくださいね。
あとがき:離婚して取り戻した、自分の人生
佳奈さんは、夫の不祥事と義母の攻撃、世間の偏見に耐えながらも、息子を守るために立ち続けました。夫から届いた手紙は残酷でしたが、それは佳奈さんが“自分と子の人生”を取り戻すきっかけにもなりました。
20年を経て、彼女はようやく過去を語れる場所に立ちました。同じ境遇の方に寄り添える言葉を、ここに残してくれています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: 光永絵里
(配信元: ママリ)

