■夜中に脚がつる人はどうしたらよいのか?
脚がつっている時は、ふくらはぎの筋肉が痙攣している状態です。医学的には筋痙攣(有痛性筋痙攣)と言います。突然起きる、痛みを伴う筋肉痙攣のことです。筋痙攣は、健康な中高年によくみられ、運動中、運動後、夜間に多く生じます❶。俗称で、「こむら返り」と言いますので、ご存じの人も多いのではないでしょうか。頻繁にこむら返りが起こる人は、重篤な疾患が潜んでいることも考えられますので、専門医の受診が必要です。
❶MSDマニュアルプロフェッショナル 筋痙攣
こむら返りは、ふくらはぎにある腓腹筋という筋肉内の血液量が不足しているため、筋肉が痙攣して、血液を呼び込んでいる現象です。脚がつる(痙攣する)と、強い痛みが出るため、目が覚めます。そのまま我慢していても、なかなか痙攣は収まりません。 そんな時は、足首を直角に曲げて、つま先を手で引き寄せ、膝を伸ばしながら、しばらくふくらはぎを引き伸ばすと、痙攣が治まります。痙攣が治まったあとなにも対処せずに眠ると、翌朝まで痙攣した部分の痛みは残ります。ほとんどの場合は、夕方まで違和感が残ります。人によっては、2~3日違和感が残ります。 それを回避するには、痙攣が治まったあと、やや熱さを感じるくらいの蒸しタオルを当てることが有効です。数分(蒸しタオルが熱さを感じなくなる間)で痛みが治まります。痛みが治まったら、乾いたタオルで水分を拭き取ってください。夜中なので眠たいと思いますが、処置した時としない時では雲泥の差がありますので、是非お試しいただきたく思います。 夜中に脚がつる人は、腎臓の機能低下が考えられます。体内の水分が不足していることも考えられますので、水分摂取が必要です。❷ また、運動不足だと思う人は、毎日5分程度の運動をしましょう。
❷冬のかくれた脱水 県民だより奈良 2024年2月号
腎臓は寒さに弱い臓器ですので、
1.薄着をしていないか 2.室温は低くないか 3.室内をはだしで歩いていないか 4.冷たいものを飲食しすぎていないか 5.ホットカーペットや床暖房の上に直接臥床していないか 6.敷布団の上に電気敷毛布を敷いて寝ていないか 7.北側の部屋で寝ていないか 8.日の当たらないところで生活していないか 9.ホッカイロを常時からだに当てていないか
などの生活習慣を見直す必要があります。 すぐに生活を改善できない人は、「寝床内気候(ねどこないきこう)」を整える必要があります。「寝床内気候」や「北側の部屋で生活するときの対策」については「知らないうちに寿命を縮める 危ない生活習慣24」(清野充典著・小学館) に詳しく書いています。
■寝床内気候を整える方法とは?
寝室が寒いと、なかなか寝付けません。布団が冷たくならないように、室温は18℃くらいになるようにすることが、基本的な対処法です。エアコンを付けていると乾燥してのどが痛くなるという人は、スチーム型の加湿器がお勧めです。適度な湿度を保てると同時に、室温が上昇します。また、オイルヒーターはのどが乾燥するという人に有効です。お部屋の環境に合わせて、オイルヒーターの温度を設定し、寝室の室温が10℃を下回らないようにすることが大切です。 布団は、定期的に天日干しすることが理想的です。しかしながら、日照時間が短い冬の時期、雪の多い地域の人、布団を干すことができない住環境の人は、布団乾燥機を定期的に使用して、この時期を乗り切りましょう。 布団に入っても、寝床が冷たいとなかなか眠れません。湯たんぽを2つ用意して、寝る30分前に布団内の腰と足元のあたりに入れます。お休みになるときは腰の部分にある湯たんぽを外し、足元にある湯たんぽを足に直接触れないよう、足先から50㎝ほど離しておくと、「寝床内気候」が整い、よく眠れます。からだが大きい人は、ダブル以上の大きい布団でお休みのことと思います。湯たんぽを足元に2つ置き、左右に離しておくと足元が暖まり、よく眠れることと思います。 布団内の湿度は、50%前後が良いとされています。睡眠中は汗が出ます。布団内の湿気が多すぎると寝苦しくなりますので、汗をかいた状態や風呂上がり直後に布団に入ると、夜間に目を覚ましやすくなります。就寝は、入浴後1時間以上経過してからにすることを勧めます。
北側の部屋で生活するときの対策についてはJIJICO内にある下記コラムをご参照いただきたく思います。
「日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?」 「北向きの部屋にいると病気になりやすい?日当たりの確保が病気回復には大切!?」

