人気の火付け役は、ずっしり重いアメリカンクッキー
●「お店で焼いたチョコクッキー」200円●「お店で焼いたブラッククッキー」260円
SNSでの反応を見ていくと、もっとも評価が高そうなのが「クッキー」。クッキーと言ってもどこにでもありそうなタイプではなく、ずっしり重い厚めのアメリカンクッキーです。温かい状態で口の中に入れると、ほっくりしっとりチョコのとろけるような食感がたまりません。これぞ、「こういうのを食べたかったんだ!」と叫びたくなるような満足感。他の競合品を見てもコンビニやスタバなどで販売されている大判クッキーよりもはるかにワクワクするビッグサイズで、クッキー界に現れた彗星と言いたいところです。うーん、おいしい!
バターたっぷりな焼き菓子は、“手軽な非日常”を味わえる
●「お店で焼いた焦がしバター香るフィナンシェ」160円
もう一つ、セブンカフェベーカリーのヒットのカギとなりそうなのが、バターの魅力を堪能できる焼き菓子類。そもそもフィナンシェやマドレーヌは、有名焼き菓子専門店で行列スイーツになるほどのポテンシャルを持つ存在で、セブンの「お店で焼いた焦がしバター香るフィナンシェ」は十分おいしく価格が控えめであるがゆえに、専門店との差別化に成功しています。
X上の評判を見ると、「めちゃくちゃおいしい、目の前に10個置かれたら10個とも食べられるから危険」と絶賛の声が目立ちます。
また今夏には、同シリーズの抹茶味「お店で焼いた 宇治抹茶フィナンシェ」が北海道と九州エリア中心の一部店舗で販売され、話題作りにも成功しているのです。
つまりセブンにおける焼き立てパン人気の立役者は、クッキーやフィナンシェといった焼き菓子。“手軽な非日常”を味わえる存在として今後も注目されていくに違いありません。
セブン&アイ・ホールディングスは今年の8月に、2030年度までの新たな中期計画を公表。そこには、国内約1000店の純増を目指し、既存店では焼き立てパンなどを販売できる新設備を5000店以上に導入するとありました。
これらのことからも、今後ますます面白い新商品が登場する可能性は大。さあ、皆さんはどう思いますか?
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

