祈るようにスマホを確認する日々
ある休日の夜もそう。みなとを挟んで博也が寝息を立てている。スマホは枕元。手に取るまでの数秒間、心臓がバクバクとうるさくて、まるで窃盗犯にでもなった気分です。この行為は、私たちの信頼関係を壊す最後の行為かもしれない。そう思いながらも、私は冷たい画面に指を滑らせた。
「何もありませんように」
そんな淡い願いは、いつも一番最初に裏切られるもの。だって、もし何もなければ、私がこんなに不安になるはずがないのですから。この日、画面をアンロックした瞬間、小さな、決定的なメッセージのやり取りが目に入ってしまいました。
「次のデートはどうする?」
このメッセージこそ、穏やかな夫婦関係を崩壊させる、重いきっかけになってしまうのでした。
あとがき:「良き夫」の仮面と妻の直感
妊娠中の不安定な精神は、時に鋭い直感を生みます。アンリが抱える「何かおかしい」という漠然とした不安は、博也が必死に繕う「良き夫」の仮面の下にある真実を見抜いていたのでしょう。自分を信じたい気持ちと、真実を見たくない恐怖が交錯する中、彼女が携帯に手を伸ばした瞬間、夫婦の信頼関係はすでに終わりを迎えていたのかもしれません。
この行為は、安心を求める試みではなく、不安の「裏付け」を探す、悲しい自衛行為だったと言えます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

