スキルス胃がんステージ4の治療方法
スキルス胃がんステージ4の治療方法には次のようなものがあります。
化学療法
免疫療法
緩和療法
胃の切除・バイパス手術
それぞれの治療方法について詳しく解説します。
化学療法
化学療法は薬物療法とも呼ばれ、抗がん薬や分子標的薬などを使用して、がん細胞が増殖するのを抑制したり死滅させたりする治療です。
化学療法では、薬剤を単独もしくは複数組み合わせ、点滴や内服の形で行います。化学療法の効果は内視鏡検査やCT検査で確認します。化学療法だけでがんを完全に死滅させることは難しいですが、進行を抑えたり、症状を緩和したりするのに役立つでしょう。
免疫療法
免疫療法は、患者さんの免疫の力を利用して行う治療方法です。具体的には、免疫チェックポイント阻害薬による治療と、免疫細胞療法があります。
免疫チェックポイント阻害薬による治療は、免疫ががん細胞を攻撃する力を維持できるよう助ける薬です。免疫細胞療法にはアルファ・ベータT細胞療法や活性化Tリンパ球療法など多くの種類があります。
緩和療法
緩和療法は、胃がんによる症状を緩和するための治療方法です。具体的には、痛みを和らげる鎮痛剤を用いる手術などがあります。
また、緩和療法には身体的症状に限らず、精神的な辛さや不安などを軽減するケアも含まれます。緩和療法は、胃がんであることを告知されたときから開始が可能です。
胃の切除・バイパス手術
胃がんの治療では、胃の切除やバイパス手術のような外科治療も行われます。胃がんの進行具合や転移などに応じて、胃の全摘や一部を取る手術などが行われます。
ステージ4では通常、外科的治療は行われません。ただし、胃や腸の通過障害により食事が難しくなったり、 腸閉塞や出血などのコントロールがつかなかったりする場合はやむを得ず手術が行われることがあります。
スキルス胃がんの検査方法
スキルス胃がんの検査方法には、次のようなものがあります。
CT検査
MRI検査
胃部X線検査
上部消化管内視鏡検査
腹部エコー検査
それぞれの検査方法を詳しくご紹介します。
CT検査
X線を使って身体の断面を撮影し、コンピューターで画像にする検査方法です。
治療を行う前にがんの有無やほかの臓器への転移がないかを確認します。また、治療の効果や治療後の再発の有無の確認などでも検査を行います。検査の目的によっては造影剤を使用する場合があるでしょう。
MRI検査
MRI検査は磁気を使って身体の断面を撮影し、画像にする検査方法です。CT検査と同様、がんの有無・大きさ・浸潤などを調べるために検査を行います。強力な磁場が発生するトンネル状の装置に入って検査を受けます。検査時間は30〜45分程とCT検査よりも時間がかかるでしょう。
胃部X線検査
胃部X線検査は、胃や食道の内部を詳しく観察するための検査方法です。
造影剤を摂取し、X線装置を使用して胃の形状やひだの状態などを確認します。胃を膨らませて検査を行いますが、スキルス胃がんでは胃が固くなって膨らまなくなる特徴があります。そのため、胃が膨らみにくい場合はスキルス胃がんの疑いがあります。
上部消化管内視鏡検査
鼻やお口から内視鏡を挿入し、内視鏡の映像を見ながら医師が食道・胃・十二指腸などを観察する検査です。
がんのある場所・範囲・深さなどを調べられます。また、病変があれば内視鏡で組織のサンプルを取り、病理診断で診断が可能です。内視鏡の先に超音波振動子を取り付けて体の中から超音波検査が行える、超音波内視鏡検査もあります。
腹部エコー検査
超音波を使って胃の内部を観察する検査です。
スキルス胃がんの場合は胃の壁が厚く硬くなることから、腹部エコー検査を行うと胃壁の変化が観察されるケースが多く見受けられます。検査はベッドに横になり、超音波が伝わりやすくなるゼリーを腹部に塗り、超音波を当てることにより行われます。

