バセドウ病には発症しやすい年齢層や生活環境があることが知られています。特に20代から40代の働き盛りの女性に多く見られるため、忙しい日常のなかで症状を見過ごさないことが大切です。リスクの高い方は日頃から身体の変化に注意を払いましょう。

監修医師:
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)
琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。内分泌代謝・糖尿病内科専門医。
好発年齢と生活背景
バセドウ病には発症しやすい年齢層や生活背景があります。リスクの高い方は症状に注意を払い、早期発見につなげることが重要です。
20代から40代の女性に多い
バセドウ病は20代から40代の比較的若い世代に好発します。この年代は仕事や家事育児などで多忙な時期であり、症状が現れても疲労やストレスのせいだと思い込んで見過ごされることがあります。動悸や体重減少、イライラ感などの症状を更年期障害や自律神経失調症と誤認する場合もあります。
若い女性では妊娠・出産を希望する時期と重なることも多く、未治療のバセドウ病は妊娠に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠前や妊娠中の甲状腺機能管理は母体と胎児の健康にとって非常に重要です。気になる症状がある場合は、年齢が若くても躊躇せず医療機関を受診することが推奨されます。
ストレスの多い生活環境
バセドウ病の発症には精神的ストレスが関与すると考えられています。仕事での過重労働、人間関係の悩み、経済的な問題、家族の介護や病気など、長期にわたる強いストレスは免疫システムに影響を与えます。
現代社会では多くの方がストレスにさらされており、特に責任の重い仕事を任されている方、完璧主義の傾向がある方、感情を抑え込みやすい方などはストレスを蓄積しやすいと言えます。適度な休息とストレス解消を心がけ、心身のバランスを保つことが予防の観点からも重要です。バセドウ病を発症した後も、ストレス管理は治療効果を高め、再発を防ぐために欠かせません。
まとめ
バセドウ病は多様な症状を引き起こす自己免疫疾患ですが、早期発見と適切な治療により症状をコントロールすることが可能です。動悸や体重減少、手の震え、目の症状など気になる変化があれば、内分泌内科や甲状腺専門外来を受診することが推奨されます。特に女性や若年者、家族歴のある方、喫煙習慣のある方はリスクが高いため注意が必要です。甲状腺機能の検査は血液検査で簡単に行えます。症状を放置すると心臓や骨に影響が出ることもあるため、早めの対処が重要です。適切な治療により多くの方が日常生活を問題なく送れるようになるでしょう。
気になる症状がある場合には、内科・内分泌内科や眼科を受診し、専門的な評価と治療を受けることをおすすめします。
参考文献
厚生労働省 難治性疾患政策研究事業「バセドウ病の診療ガイドライン」
日本甲状腺学会「甲状腺の病気について」
日本内分泌学会「バセドウ病」

