
1. 禅の精神を映し出す名宝たち
本展の最大のテーマは「禅の継承」。数々の戦火や苦難を乗り越え、現代まで守り伝えられてきた禅の心と、それを体現する美術品が展示されます。
特に注目すべきは、今回ビジュアルが公開された桃山絵画の巨匠たちによる作品です。
魂を揺さぶる毛描き|長谷川等伯「枯木猿猴図」
水墨画の最高傑作の一つとして名高い、長谷川等伯の「枯木猿猴図(こぼくえんこうず)」。
等伯といえば国宝「松林図屏風」で見せたような、湿潤な空気感や余白の美が特徴ですが、この作品でもその才気は遺憾なく発揮されています。
注目すべきは、猿の毛描きの繊細さです。墨の濃淡だけで表現されたその毛並みは、触れれば温かさを感じそうなほど柔らかく、同時に野生の鋭さも秘めています。猿たちの表情には、人間のような情緒や、禅に通じる静寂な精神性さえ感じ取ることができます。静けさの中に生命の息吹を宿す、等伯ならではの「墨の魔術」をぜひ会場で目撃してください。
圧倒的迫力の龍と虎|狩野山楽「龍虎図屏風」
対して、豪華絢爛かつ力強い筆致で知られるのが、京狩野の祖・狩野山楽による「龍虎図屏風」です。
禅寺において「龍」と「虎」は、修行僧を守る存在であり、あるいは悟りの境地を表すモチーフとして好んで描かれてきました。
山楽の描く龍は、画面からはみ出さんばかりのエネルギーに満ち、虎は鋭い眼光でこちらを射抜きます。金碧画の装飾性と、水墨画の精神性が見事に融合したこの作品は、桃山時代の気風を今に伝える貴重な遺産です。屏風の前に立った瞬間、その迫力に圧倒されることでしょう。
2. 展覧会をより深く楽しむ!新情報解禁
展覧会オリジナルグッズが登場!
会場限定で販売されるグッズ情報も一部解禁されました。
長谷川等伯の猿や、狩野山楽の龍虎をモチーフにしたアイテムは、日常に「禅」のエッセンスを取り入れるのにぴったり。鑑賞の記念として、またアート好きな方への贈り物としても最適です。
※現在発売が決定している一部商品をご紹介します。
※会期中、展覧会場で購入いただけます。
※画像はイメージです。変更の可能性があります。
ぬいぐるみポーチ 2,000円(税込)
枯木猿猴図の猿をモチーフにしたぬいぐるみポーチです。
ふわふわのぬいぐるみのような手触りで小物入れにピッタリ!
小さいながらに耳も足もありとってもかわいい必ず手に入れたいグッズです。
重要文化財 長谷川等伯「枯木猿猴図」(部分) 桃山時代(16~17世紀) 京都・龍泉庵 画像提供:京都国立博物館
ニットトート 5,500円(税込)
龍虎図屏風の虎をイメージしたトートバッグです。
重要文化財 狩野山楽 「龍虎図屏風」(部分) 桃山時代(17世紀) 妙心寺
音声ガイドは歌舞伎俳優・中村隼人さんに決定!

本展のナビゲーターを務めるのは、歌舞伎俳優の中村隼人さんです。
若手きっての実力派として活躍する中村さんは、実は過去に妙心寺の塔頭・退蔵院で坐禅を経験されたこともあるとか。
伝統芸能の世界に身を置く彼だからこそ語れる「型」や「精神性」の解説は、禅美術の理解をより一層深めてくれるはずです。落ち着いた語り口で誘われる禅の世界、必聴です。
