HERMÈS
アノニマスなデザインが靴そのものの素材のよさや端正なデザインの美しさを引き出すエルメスのローファー。本人私物
ソックス愛好家ならではの視点で
—秋はどんな風にローファーを楽しむ予定?
これまで意外とスカート合わせのスタイリングをやってこなかったんですが、今年は気分。MIU MIUの20
25年秋冬コレクションで見たソックス+ローファー+スカートの足元バランスが可愛くて。靴下も少しクシュッとさせたときにベストなものを買いました。靴下フェチなので、そこは抜かりなく……(笑)。
—今季、欲しいローファーは?
THE ROWのブラックスエードのローファーをファーフェッチで見かけていいなと狙っています。THE ROWの靴は足に合うんですよね。スエードも気分だし。
—ローファーコーデで気を付けていることは?
ボトムのボリューム感。割と華奢なというか、コンパクトめなシルエットを選ぶ、かな。デニムもスカートもボリュームのあるものは避けている気がします。
—ローファー選びのマイルールは?
ロゴや特徴的なディテールが主張しない端正なもの。はいてしまうと一見どこのか分からないくらい、スッと着こなしに溶け込むデザインが好きです。あとは歩きやすさ。ローファーに限らずですが、そこは譲れません。色は黒一択ですね。モノトーンが好きなので。
—大人気過ぎて定番になったというDhyana.とのコラボローファー、こだわったポイントは?
圧倒的なはきやすさ。それから飽きのこない“なんてことのない”デザイン。ありそうでないんですよね。私自身、そういうローファーが欲しかったので、実際にすごく愛用していて、特にブラックはもう2足目です。
「本来はこんな風にデニムに合わせてローファーをはくことが多い」という綾さん。デニム×黒いジャケット×ローファーは鉄板ですが「今季はそれもちょっとレディに、が気分」と、ウエストシェイプされたシルエットが美しいジャケットをチョイス。エレガントなフェミニンさが大人の品格を引き立てる! Dhyana.のローファー、COUDREのパールのピアス、Diorのジャケット、バッグ、LEVI’S®のヴィンテージデニムは全て本人私物
「HERMÈSのローファーはカジュアルなスタイリングのときによく合わせます。ラフ過ぎるかなってバランスも、このローファーの端正さがモダンに仕上げてくれるので」。HERMÈSのローファー、THE ROWのスエット、バッグ、COUDREのレギンス、シュシュ、パールのピアス、BOTTEGA VENETAの眼鏡、YUQRIのソックスは全て本人私物
Profile _金子綾 1979年生まれ、46歳。ディレクションを務めるCOUDRE(クードル)の他、ブランドとのコラボ商品でもヒットを連発。スタイリストとしてはもちろん、自身の着こなしも注目の的で、フォロワー数22.6万人にものぼるInstagramのOOTDに加え、YouTubeチャンネルで観られるリアルな購入品紹介も大人気。
KAORI HIGUCHI 樋口かほり
HARUTAのローファー、古着のミリタリージャケット、TanCのカットソー、ZARAのスカート、Sea Room Lynnのスエット、HERMÈSのケリーバッグ、CARINの眼鏡、CASIOの時計、その他全て本人私物
「明るい色が着たい気分だし、(意外って言われるんですけど)ピンクが好きなので(笑)。秋色にも合うんです」と話すコーデの主役は、艶やかな光沢を放つピンクのスカート。確かにカーキやオレンジ、ゴールドといった秋色ともマッチ。同色のスエットを腰に巻く小技テクにも脱帽。
HARUTAのローファーは共に本人私物
「学生のころもはいていた」というHARUTAの定番“カジュアルローファー#230”は、ブラックとブラウンを色違いで2足所有。「毎日ガシガシはけるところが魅力。はき始めから足が痛くなりにくいところもいいですよね」
デニムじゃないコーデも楽しみたい
—この秋はどんな風にローファーを楽しむ予定?
いつも好きなデニムを合わせてしまうことが多いので、少し違う感じのコーデにもトライしてみようかなと思っています。明るい色が着たい気分だから大好きなピンクとか、カットソーのロングドレスにサラッとローファーをはいてみたり。半端丈のパンツも気分だから、そういった少し新鮮さのあるアイテムと一緒に合わせてみようかな、とか。
—今季、欲しいローファーは?
2、3年前から狙っているJ.M. WESTONのブラウンスエードのシグネチャーローファー。ここはワイズ(横幅)も選べて、自分の足に可能な限りジャストフィットな仕上げにできるのもいいんです。お店に行かなきゃ!
—ローファー選びのマイルールは?
華奢なの(ソール薄め)が好きです。すっと品よくキレイに見えるので。
—ローファーが好きな理由は?
キチンと足元を終えられるところ。私は年齢にしてはカジュアルな格好をすることが多いから、それを大人に仕上げてくれる気がして。もう一つの理由は脱ぎはきが楽なところ。仕事柄、そこもとっても重要なんです。ビーサンの季節が終わったら、ローファーにシフトしてますね。そのくらい動きやすいのに、佇まいは洗練されて見えるところが好きです。
—ローファーをはくときのこだわりは?
自分がはくときは甲の部分のローファーらしいデザインがちゃんと見えるようにするのが好みです。
—樋口さんが思うローファーの魅力は?
スニーカー以上、ヒール未満。カジュアル過ぎず、ドレスアップ過ぎず、メンズ過ぎず、レディス過ぎず、ローファーっていろんな意味でいい感じで“真ん中”。その中庸なところが魅力です。綺麗な着こなしだとメンズっぽいハズしになるし、カジュアルには大人なムードを添えてくれる。流行りじゃなくてオーセンティックなものだから、いつ買ってもずっとはけるところもいいですよね。
GUCCIのホースビットローファー、Graphpaperのシャツ、MIU MIUのカーディガン、L.L.Beanのトート、ROKUのベルト、ヘアバンド、アンクレットは全て本人私物
「秋はこんな半端丈のパンツが気分なんですが、こういうボトムこそオーセンティックなスタイリングでローファーを合わせたら素敵」。
ローファーは全て本人私物
「流行りとか関係なくずっとはいている」というローファーマニアな樋口さんは、オーセンティックなモデルも多くコレクション。今回の着こなしにも登場したGUCCIのホースビットローファー“ヨルダーン”は「ずいぶん昔に購入したのでだいぶ風合いが出てきてしまって。色をリペアするか、全く同じものを新調するか悩んでいます」と言うくらいお気に入り。
Profile _樋口かほり 1981年生まれ、44歳。カジュアルに女性らしい小技をきかせたスタイリングにファンが多く、本誌はもちろんGISELe、VERYなど多くの女性ファッション誌で引っ張りだこの人気スタイリスト。いろいろなブランドとのコラボや別注も好評で、第3弾となるスピック&スパンとのコラボコレクションが発売中!

