怯えて不安そうな様子を見せていた元保護犬と家族になり12年。お迎え当時の大変だった時期を家族みんなで乗り越え、今は穏やかな日々が続いています。
最初は怯えていた柚ちゃん
引用元:@yuzu1910
キッチンの隅で小さくなっているこちらの犬は、元保護犬・柚ちゃん(撮影時、生後2カ月)。飼い主であるInstagramユーザーの@yuzu1910さんに話を聞くと、写真は柚ちゃんを家族に迎えた初日に撮影したものだそう。
保護されていた家では4頭で生活していた柚ちゃん。仲間と離れてしまって不安を感じていたのか、怯えた様子を見せていたそうです。「家に来て1週間は夜鳴きが続きました」と当時を振り返ります。
そんな柚ちゃんは、今どんな日々を過ごしているのでしょうか。

引用元:@yuzu1910
それから12年の年月が経ち、柚ちゃんは12才(取材時)を迎えました。穏やかな表情でくつろぐ姿から、安心して生活している様子が伝わります。

引用元:@yuzu1910
生後3カ月まで野犬として育った背景もあってか、「犬の本能がとても強いタイプ」だという柚ちゃん。一緒に暮らし始めて家族に懐いてくれたものの、どこか一線を画しているような、甘えきれずにいるような雰囲気があったといいます。
しかし、シニア期に入り、少しずつ“素の感情”を見せるようになってきました。
@yuzu1910さん:
「年齢を重ねて、頑固でわがままになったような気がします。ゴハンや散歩を催促する甘え鳴きも増えましたし、散歩中に『そっちには行きたくない』と座り込むようにもなりました。
今までももちろん普通に甘えたり、はしゃいだりすることもありましたが、“スン”と我に返り『もういいです』と言われているようなときがあって……。
なので、わがままや甘え鳴きが出たときは、心の底から私に“素”を見せてくれているような気がして、とても嬉しいです」

引用元:@yuzu1910
柚ちゃんと家族になって12年——そこに至るまでは、楽しいことばかりではありませんでした。
お迎え直後の柚ちゃんは、まだコントロールがきかない小さな子犬。夜鳴き、イタズラ、家具をかじる、トイレの失敗、ケージに入ると鳴き続ける、留守番ができない……など、2週間のトライアル期間中にも何度も心が折れかけたことがあったそうです。

引用元:@yuzu1910
“育犬ノイローゼ”のようになった時期もありましたが、娘さんたちの「柚を絶対返したくない」という強い思いに支えられ、家族で協力して向き合うことに。
自治体のしつけ教室に参加したり、トレーナーに相談したりするなかで、少しずつ問題行動が改善。気持ちが通じるようになるにつれて愛情が深まり、「半年ほど経つころには、なくてはならない存在になっていた」と振り返ります。

引用元:@yuzu1910
家族みんなにとって「大切で愛おしい存在」だという柚ちゃんへ、@yuzu1910さんはこんな思いを語っていました。
@yuzu1910さん:
「勇気を出して人を信じてくれて、一緒に暮らしてくれた柚を裏切るわけにいかない。最期の瞬間までずっと一緒に——いつもこう考えています。
最近は自分の健康も考えるようになりましたが、それは柚をきちんと最期まで愛して看取るためです。今は仕事をしていますが、柚の体調によってはずっと一緒にいるために退職も考えています。
今はまだ元気いっぱいの柚ですが、いつか来る別れの日に『幸せだった』と思ってもらえるように、最期の瞬間まで愛してあげたいと思います」
「犬と暮らしたい」と思ったときに迎えた保護犬→約8年、様々な経験をしお互い分かり合える存在に
写真提供・取材協力/@yuzu1910さん/Instagram
取材・文/雨宮カイ
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年12月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
