高市早苗首相が愛用するバッグをプロの革職人が分解した結果がYouTubeで話題です。動画は「シンプルなのにおしゃれだな~」「高市さんセンスいいよ、本当に」と注目を集め、記事執筆時点で19万回以上再生されています。
動画を投稿したのは、兄弟で革職人を営む「新進工房」のYouTubeチャンネル「新進工房【革職人の裏側】」。「ものづくりの裏側」や「革職人というレアな職業」を広めるために活動しており、以前には妻がメルカリで買ったバッグを分解後に手直しして話題になりました。
今回は、高市首相が愛用する黒い手提げバッグをピックアップ。皇室御用達ブランドである創業145年の老舗バッグメーカー「濱野皮革工藝」が販売している「グレースディライトトートバッグ」で、SNS上で「早苗バッグ」として大きな注目を集めました。
公式ページには記事執筆時点で「約10カ月分の工場の生産量を現在ご注文頂いている状況です」「来年9月末の出荷予定となっております」と記載されており、記録的な注文数になっていることがうかがえます。
早苗バッグの定価は13万6400円ですが、今回は中古品を約8万円で購入したとのこと。「なんでこんなに売れるん?」と、まずはプロ目線でレビュー。デザイン性、機能性、耐久性において高度な工夫が凝らされたバッグだと高く評価しました。
縫製が非常に美しく、持ち手のベルトが意図的に本体にぶつかるようにフィッティングされ、開口部が閉まることでデザインと防犯性を両立している点や、女性が持ちやすいように軽さ(約700グラム)が考慮されてることも魅力だといいます。
レビュー後には、リバースエンジニアリングの観点から早苗バッグを分解してみることに。芯材の使い方や軽量化の秘密、欧州の高級レザーブランドとの違いなどを見ていきます。
分解を始めてまず口に出たのは「芯材の使い方が日本っぽい」という感想。欧州系のハイブランドは芯材を多く使うのに対し、早苗バッグは必要最低限しか使っておらず、「革の素材の厚みで勝負する。すしみたいな感じ」と素材の良さを生かしている印象を受けたといいます。
また、カーブを美しくみせるために革の厚みを「ピタピタの薄め」まですいているとのこと。内装は複雑で、「これなかなか工賃高いと思う」「こういうバッグ作れるところが減っていってる」と職人技が感じられる作りになっているそうです。
内装の縫い代は一般的な6ミリなのに対し、外装側は3ミリになっていました。角をゴワつかせずに美しく見せるための工夫ですが、「半分にしたら縫いにくくなるんですよね。ミスが増える」「縫いにくい、でもキレイに見える」と確かな技術が要求される手法で、ルイ・ヴィトンも採用しているのだそうです。
縁を折り返す「へり返し」も一般的な9ミリではなく6ミリになっており、カーブ部分に至っては2~3ミリと極限まで短めに。「そうすることでキレイに見える」「そういう仕事をちゃんとされてる」と縫いミスのリスクをものともしない技術力にうなります。
ハンドルの裏手側には、バッグの角をきれいに見せる芯材とハンドル裏の強度を上げる芯材を兼ねて使用しており、必要最低限の材料で済ます日本らしいものづくりを実感しました。金具の裏側には当たりが出ないように布テープを貼るなど、美しさのために細かな工夫も施してあります。
分解後には「これ13万円やけど、海外やったら30、40万円しても全然おかしくない」「それぐらいのクオリティーでいいものでした」とあらためて高評価しました。
革職人ならではの早苗バッグの解説に、コメント欄には「濱野皮革工藝さんの技術が素晴らしいことが分かりました」「めっちゃ使いやすそうなバッグ」「デザインも良い」「芯材が無駄に使われてないから軽いんですね」「鞄大好きだけど、作り方とか縫製知識はないので、とても楽しかったです」「老舗のかばんがあらためて良い物なのが分かって良かったです」「本当に勉強になります」「とても面白い動画でした」といった声が寄せられています。
動画提供:YouTubeチャンネル「新進工房【革職人の裏側】」

