
井上芳雄、坂本真綾、上白石萌音が出演するミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ」の囲み取材及び公開ゲネプロが、12月11日(木)に東京・シアタークリエにて行われ、キャストの3人が登壇。再演の喜びや、作品のキーアイテムとなる“手紙”にちなんだエピソードなどを語った。同作は、12月12日(金)から1月2日(金)まで、同会場にて上演される。
■二人きりで織りなす愛と感動の物語が3年ぶりの再演
2012年の初演以来、2013年、2014年、2017年、2020年、2022年と再演を重ね、多くの人々に愛されてきた同作。知的で紳士だが一風変わった若き慈善家・ジャーヴィス・ペンドルトンと、孤児でありながらはつらつとして聡明なジルーシャ・アボットとの心温まる恋の物語を描く。
ジャーヴィス役は初演より井上が演じており、ジルーシャ役には初演より同役を演じる坂本と、2022年より参加の上白石がWキャストで配役されている。
■井上芳雄「この役に関してだけは許される限りやり続けたい」

このたびの再演で新たに感じたことはあるかと問われると、井上は「(演出が)毎回変わるので、その都度新しい気持ちでやっています。『チャリティー』という歌を歌うんですけど、誰かを助けるということはどういうことなのかを毎回すごく考えるので、今回も今の自分の年齢で考える、“助ける、助けられる、与える、与えられる”ということを、すごく身に染みて感じています」と語る。
そして、「役や作品は自分のものではないと思っているんですけど、この役に関してだけは許される限りやり続けたいなと思うくらい。だから、大好きなんでしょうね。2人とも同じ気持ちかなと思います」とアピールした。
一方の坂本は「この作品と巡り合えたことは本当にラッキーだったなとありがたく思う日々ですし、同時に、この幸福感をより多くの素晴らしい俳優の人たちに味わってほしいという気持ちもあったりして。自分たちで独り占めしていいんでしょうかという気持ちも…(笑)」と遠慮がち。
上白石は「私は可能な限り見続けたい作品です」と発言し、すかさず井上から「いや、出てるし(笑)」とツッコまれる。笑みを浮かべつつ、「必要なときに呼んでいただけたらいつでもやれますという状態にしておきたいと思います」と宣言した。

作品のキーアイテムとなる“手紙”にちなみ、最近誰かに手紙を書いたかと問われると、坂本が「芳雄さんにはお伝えしていなかったんですけど、萌音ちゃんと交換日記を始めました」と告白。「えー!蚊帳の外!(笑)」とショックを受ける井上に、「これから本番が始まると会えなくなるので、同じ役を演じる仲間として一言伝えたりしています」と説明する。
また、手紙にまつわる思い出深いエピソードについて、上白石は「文通している友達がいて、伝えたいことがたまったときに5、6枚書いて切手を貼って投函するということをやっています。すごく豊かな時間です。より本音を書けたり、長さを気にせずに書きまくったり、自分のために書く側面があったりして。すごく大切な時間ですね」とコメント。
坂本は「3歳の子どもがいるんですけれども、将来子どもが大きくなったときに読んでほしいなと思って、手紙を書いてためてあります。思いついたときに。1歳のときにこういうことがあったよとか、こういうことができなかった、ごめんねとか」と母親ならではのエピソードを明かした。
■坂本真綾「なんで私のことなんか覚えていたんだろう」

また、陰で応援してくれている人など、自身にとっての足ながおじさんは誰かという質問には、井上が「飲食店の方とか、地方地方でよくしてくれて、その都度おいしいものを食べさせてくれる人が僕を支えてくれているなと思うことはあります。もちろんお金は払いますけど、それ以上の無償の愛みたいなものをくださって。人生の先輩という感じでいろいろな話をしたりします」と回答。
坂本は「この作品を生み出されたジョン・ケアードさん。私は前に『レ・ミゼラブル』という作品でご一緒していたんですけど、本当に影の薄い人間だったのに、声をかけてこの作品のオーディションに呼んでいただいたというので、なんで私のことなんか覚えていたんだろうということもありますし、この新しい作品に会わせてくれたという意味では、足ながおじさんさんみたいだなと思います」と感謝の意を表する。
上白石は「この間地元に帰省したときに祖父母に久しぶりに会って、もう高齢なんですけど、(出演作品を)全部見てくれていて、いろいろ反応もしてくれて。祖母が最近刺し子にハマっていると言って作った布を持たせてくれたので、今回それを鏡前に敷いて、祖母の見えないパワーと共に頑張っています」と家族愛を明かした。
最後に井上が「とにかく1人でも多くの方に見ていただきたい作品なので、心を込めて毎回お届けします。今回は3人で届けられるのをとってもうれしく思っておりますので、ぜひ楽しみにして劇場にお越しください」と呼び掛け、会見は終了した。


■ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ」ストーリー
孤児院に暮らす18歳の少女ジルーシャ・アボット(坂本/上白石)は、ある夜、「大学への進学と勉学を保証する」という思いもよらない手紙を受け取る。条件は、月に一度手紙を書くこと。
手紙の送り主は、その夜に見た車のヘッドライトに照らされる足長グモ“ダディ・ロング・レッグズ”のような影。影でしか見たことのない相手だったが、ジルーシャは心を躍らせ手紙を送り続けた。
影の正体であるジャーヴィス・ペンドルトン(井上)もまた、知性ある手紙を送ってくれる彼女に惹かれていくのに時間はかからなかった。そして、ついにジャーヴィスは、影の正体であることを隠してジルーシャの前に現れる――。

