ダン・ブラウン最新作発売!アートと歴史の謎に触れるロバート・ラングドンの映画3選

シリーズ第一弾『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)

参照:『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)

映画『ダ・ヴィンチ・コード』は、ダン・ブラウンの世界的ベストセラー小説を原作とし、トム・ハンクスが主人公のロバート・ラングドンを演じた、ミステリーサスペンス大作です。2006年に公開され、全世界で7億6000万ドル以上の興行収入を記録しました。

レオナルド・ダ・ヴィンチ《ウィトルウィウス的人体図》を模した姿で、ルーヴル美術館の館長が殺害された事件から、映画は始まります。現場に残された暗号の解読をフランス警察から依頼された、宗教象徴学者ラングドンは、暗号解読官ソフィー・ヌヴーと、警察や秘密組織の追跡を逃れながら、ヨーロッパ各地で歴史的な謎を追うことに。

1024px-Leonardo_da_Vinci_(1452-1519)_-_The_Last_Supper_(1495-1498)レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》(1495~1498)/サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院, Public domain, via Wikimedia Commons.

事件の鍵となるのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》をはじめとする名画や、歴史的遺産に隠された「聖杯」の秘密です。この作品は、「イエス・キリストは独身ではなく、マグダラのマリアと結婚し、子孫を残していた」という、キリスト教の根幹を揺るがす異端の説をテーマに据えています。

2人は、この血筋を長きにわたり秘匿してきたシオン修道会の存在と、キリストの継承者であるソフィー自身の正体に迫ります。単なるミステリーの枠を超え、歴史、アート、宗教を大胆に結びつけた作品として大きな話題を呼びましたが、その内容は世界中で宗教的な議論も巻き起こしました。

作中で《最後の晩餐》がどう扱われたか、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

『ダ・ヴィンチ・コード』《最後の晩餐》の謎を追う異端の映画

美術の授業で習った内容のうち、今でも覚えていることはありますか?レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》は、そんな記憶に残る作品のひとつかもしれません。謎めいた構図や象徴に満ちたこの絵は、映画『ダ・ヴィ…

シリーズ第二弾『天使と悪魔』(2009)

参照:『天使と悪魔』(2009)

映画『天使と悪魔』はロバート・ラングドンシリーズの映画第二弾です。監督はロン・ハワード、主演はトム・ハンクスが続投しました。ただし、原作小説の時系列は逆で、本来は『天使と悪魔』がシリーズ第一弾です。

ローマ教皇の死去にともない、新教皇を選出する「コンクラーベ」がバチカン市国で開かれる、緊迫した状況。その最中、CERN(欧州原子核共同研究機構)から強力な爆弾となり得る「反物質」が盗まれ、次期教皇候補の枢機卿4人が誘拐されます。

犯人は、カトリック教会に弾圧された科学者たちの秘密結社「イルミナティ」を名乗り、枢機卿たちを処刑し、最終的に反物質でバチカンを破壊すると脅迫します。

ロバート・ラングドン教授は、CERNの科学者ヴィットリア・ヴェトラと、事件の捜査を始めます。そして、イルミナティが残した暗号「啓示の道」を解き明かし、犠牲者の処刑場所が四大元素(土、空気、火、水)にちなんだ、歴史的芸術家の作品で示されていることを突き止めます。

1024px-Ecstasy_St_Theresa_SM_della_Vittoriaジャン・ロレンツォ・ベルニーニ《聖テレジアの法悦》(1647~1652)/サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会、コルナロ礼拝堂, Public domain, via Wikimedia Commons.

「啓示の道」へのカギとなるのが、バロック芸術の巨匠、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの彫刻《聖テレジアの法悦》です。聖女テレジアが天使の槍で胸を貫かれ、神の愛に包まれる神秘的な体験、つまり「恍惚(エクスタシー)」を表現しているといわれています。映画では、この彫刻があるサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会が、火による処刑の舞台となりました。

『天使と悪魔』では、ミケランジェロ・ブオナローティ《最後の審判》も少し登場します。作品の見どころを詳しく解説した記事もありますので、併せてお楽しみください。

『最後の審判』解説&見どころ紹介【ミケランジェロ】

【ローマ在住の筆者が見どころ紹介!】システィーナ礼拝堂は、世界最小の国ヴァチカン市国の中にあります。 システィーナ礼拝堂にはミケランジェロの絵画作品の中でも最も有名なものの1つである『最後の審判』があ…

配信元: イロハニアート

提供元

プロフィール画像

イロハニアート

最近よく耳にするアート。「興味はあるけれど、難しそう」と何となく敬遠していませんか?イロハニアートは、アートをもっと自由に、たくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディアです。現代アートから古美術まで、アートのイロハが分かる、そんなメディアを目指して日々コンテンツを更新しています。