
育児や接客のドタバタ体験をコミカルに描くしゃけなかほい(@syake8989)さん。今回は、スーパーのレジでアルバイトをしていた頃の忘れがたい“噂のお客様”との攻防を綴ったエッセイ漫画を紹介する。投稿では「わかる」「こういう人いる!」と反響が相次ぎ、接客経験者の共感を一気にさらった。
■「えっ、この列で言う!?」地獄の混雑タイムに放たれた「ポイントでお願いします」の一言



その日はとにかく混んでいた。レジ前には果てが見えないほどの長蛇の列。気合いを入れて金額を伝えた瞬間、「ポイントでお願いします」とお客さんが一言。心の中で『えっ、この列で言う!?』と叫びながらも、数日前に教育係のおばちゃんから教わった通り、しゃけなかほいさんは笑顔で「かしこまりました。サービスカウンターで商品券に交換してきますので、少々お待ちください」と伝え、サービスカウンターへ走った。
このスーパーでは、なぜかレジ係がサービスカウンターへ走る謎システムが採用されていた。その間もレジは止まり、列は伸び、後ろのお客さんの視線が背中に突き刺さる——。焦りで胃が痛くなりそうな数分間ののち、ようやく戻って「交換してきました」と伝えると、お客さんは明るく「あら、自分で行くなら行ったのに~」と余裕の表情。しゃけなかほいさんは笑顔をキープしつつ、心の中では全力で『嘘つけクソババア…』とツッコミを入れるしかなかった。
■救いのひと言をくれた“天使のようなお客さん”
修羅場のような空気の中、一連の様子を見ていた次のお客さんは「レジも大変だね。ゆっくりでいいよ」と声をかけてくれる。その優しさは、混乱の渦中に降ってきた一筋の光のようだった。しゃけなかほいさんは「大丈夫ですよ!慣れているので」と返しつつも、心の奥ではその言葉に本気で救われていたという。
忙しい時ほど余裕は消え、ほんの小さな言葉に揺さぶられる。イラッとする瞬間もあれば、逆に泣きそうになるほどありがたい言葉もある。接客とは、そんな感ジェットコースターのような感情の振れ幅を毎日のように味わう場所なのだ。
■本作の魅力を引き出すのは現場のリアルな緊張感と”心の声”とのギャップ
しゃけなかほいさんによると、このポイント交換システムは“謎”そのもの。混む時間帯はみんなが急いでいて、レジが1台止まれば周囲への影響は大きい。その緊迫感の中でサービスカウンターまで走らなければならないのは本当に怖かったという。
また、教育係のおばちゃんの指示に従った理由は、混雑で他のレジに負担をかけたくなかったこと、そして数日前にクレームを受けてしまった恐怖が尾を引いていたからだと話す。現場のリアルな息苦しさと、笑いを交えた心の声のギャップが、この漫画の魅力ををいっそう引き出している。
取材協力:しゃけなかほい(@syake8989)
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