プロ雀士の岡田紗佳さんが勝訴、点数計算めぐる発言は「違法とは言えず」 大宮簡裁

プロ雀士の岡田紗佳さんが勝訴、点数計算めぐる発言は「違法とは言えず」 大宮簡裁

プロ雀士でタレントの岡田紗佳さんの発言で精神的苦痛を受けたとして、男性が岡田さんに慰謝料30万円を求めた訴訟で、大宮簡裁が請求を棄却する判決を言い渡していたことがわかった。判決は10月14日付。

岡田さんが点数計算できない麻雀プロに関して「襟を正すか、麻雀プロを辞めていただくか」と述べたYouTube上での発言について、裁判所は「特定の個人に向けられたものではなく、社会通念上許される限度を超えた違法なものとはいえない」と判断した。

●「点数計算の不得意な原告は傷ついた」と提訴

判決によると、原告は、岡田さんが2025年に配信したとされるYouTube動画で「点数計算できないプロはプロをやめろ」と発言したと主張。点数計算の不得意な原告は、この発言によって精神的苦痛を受けたとしていた。

しかし、大宮簡裁の畠山純一裁判官は、そもそも2025年にそのような発言をしたという証拠は認められないと判断した。

なお、岡田さんは、2019年10月のYouTube配信で、点数計算できない麻雀プロに関して「襟を正すか、麻雀プロを辞めていただくか」と発言していたが、ここでも「点数計算できないプロはプロをやめろ」という表現はしていないとされた。

大宮簡裁は、2019年10月の発言は特定の個人に向けられたものではなく、違法とはいえないと結論づけた。

●岡田さん代理人「原告と面識なし」「なぜかわからない」

岡田さんの代理人をつとめる萱野唯弁護士は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「原告が、なぜ自身が非難されていると考えてしまったのかはわかりません」と答えた。原告と岡田さんに面識はないという。

判決では、岡田さんの発言は誹謗中傷にはあたらず、同定可能性(第三者から見て特定の人物を指すとわかる可能性)も否定された。さらに、原告が「傷ついた」根拠となる動画の存在自体が不明確である点も指摘された。

岡田さんの代理人は次のようにコメントしている。

「何らかの事情で表現に傷ついてしまったとしても、だからといってその表現が違法になるわけではありません。

侮辱や名誉毀損、プライバシー侵害などの違法な表現はダメですが、自分と異なる意見も含めて、さまざまな表現があることは社会にとって重要です。

法的なアクションにあたっては少し冷静に考えていただくことも必要ではないでしょうか」

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