【南極トリビア】南極の環境・自然編
寒いけど、世界最大の砂漠!
砂漠というと、アフリカのサハラ砂漠のような暑くて乾いた場所を想像する人も多いのではないでしょうか?
しかし南極は「世界最大の砂漠」でもあります。
そもそも砂漠とは、「雨がほとんど降らない場所」のことです。
南極の年間降水量は平均で約50~200mmといわれており、内陸部ではサハラ砂漠よりも更に少ない50mm程度しか雨が降らないところもあります。
南極が乾燥している理由は、著しい低気温により、空気中に水蒸気がほとんど含まれないことによるものです。
水蒸気がなければ、雪や雨の量は極めて少なくなります。
参考:南極氷床|国立極地研究所
氷には100万年前の空気が閉じ込められている
南極の氷は、長い年月をかけて降り積もった雪が押し固められてできたものです。
雪が氷になる過程で、その時代の空気が気泡として氷の中に閉じ込められます。
この氷を掘り出して調べることで、何十万年も前の地球の大気がどんな成分だったかを知ることができるんですよ!
古い氷には、過去の地球の気候変動や、二酸化炭素の濃度の変化などの手掛かりが残っています。
つまり南極の氷は、地球の歴史を記録したタイムカプセルのような存在なのです。
参考:過去30年にわたる観測データから南極ドームふじ地域の詳細な基盤地形を解明 〜100万年超のアイスコア掘削に向けて〜国立極地研究所
南極の氷をコップに入れるとパチパチ音がする!
昔の時代の空気を閉じ込めている南極の氷は、コップに入れて溶かしていくと「パチパチ」と炭酸飲料のような、小さくてかわいらしい音が聞こえてきます。
これは、氷の中に閉じ込められていた空気が弾ける音!
南極の氷をコップに入れると、2万年前、3万年前、場所によっては何十万年も前の空気が弾け出す瞬間を体験できるのです。
まとめ
南極には、まだまだ解明されていない謎がたくさんあります。氷の下の湖にはどんな生き物がいるのか、100万年前の地球はどんな様子だったのか、科学者たちは今この瞬間も研究を続けています。日本から南極までは、船で約1か月。簡単には行けない遠い場所ですが、12月14日の「南極の日」には、南極について思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
文/カワサキカオリ

