「風邪」は何の病気の総称なのか?季節によって病原菌は違う?症状も医師が解説!

「風邪」は何の病気の総称なのか?季節によって病原菌は違う?症状も医師が解説!

風邪は我々にとってとても身近な病気です。年齢や性別に関係なく誰でもかかるもので、1年に何度も繰り返すこともあります。

冬に流行するイメージがありますが、風邪は1年を通じていつでも罹る可能性があります。

ほとんどの場合は何もしなくても数日〜1週間程度で症状が改善しますが、気管支炎や肺炎と区別がつきにくいため注意が必要です。

子どもや高齢者ほど重症化リスクも高く、身近な病気といっても油断はできません。

この記事では、あまり知られていない風邪の正体や症状、原因になる病原菌について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「風邪」を引いた時の症状・おすすめ食べ物とは?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

風邪の特徴

風邪をひいた若い女性

風邪の正体は何なのでしょうか?

風邪とは「上気道(鼻・のど)」に急性炎症が起こる病気の総称です。

正式には風邪症候群といい、くしゃみ・せき・のどの痛みなどの症状が現れます。

年齢・性別を問わずあらゆる人が発症するとても身近な病気で、誰でも一度は風邪をひいた経験があるはずです。

自覚症状は下記のようにさまざまなものがありますが、程度には個人差があります。

のどの痛み

鼻水・鼻づまり

くしゃみ・せき

たん

発熱

悪寒

頭痛

悪寒

関節の痛み

全身の倦怠感

ほとんどの場合、風邪の症状は3日〜4日ほど、長くても1週間程度で自然に治ります。

風邪の原因の約90%はウイルスが占めており、残りの10%は細菌・マイコプラズマ・クラミジアなどウイルス以外によるものです

風邪ウイルスの数は200種類以上あるため、どのウイルスが原因となったかを特定することはできません。同じウイルスでも型が複数あり、さらに年々変異しています。一度感染したウイルスでも別の型では免疫がないため、繰り返し風邪をひきます。

季節ごとに気をつける病原体が違うのですね。

風邪の原因となるウイルスはさまざまな種類があります。

季節ごとに流行するウイルスが違い、複数のウイルスに同時に感染する場合もあります。

風邪の原因となる主なウイルスと流行する季節は下記のとおりです。

ライノウイルス:主に鼻風邪の原因となり、秋や春に多い

コロナウイルス:鼻やのどの症状が起こり、冬に多い

RSウイルス:冬に多いが年間を通じて流行する

パラインフルエンザウイルス:秋に流行する型と春に流行する型がある

アデノウイルス:冬から夏にかけて流行する

エンテロウイルス:夏に流行する

季節の変わり目は朝晩の気温の変化などが原因で体調を崩しやすいため、風邪もひきやすくなります。

風邪の主な症状を教えてください。

風邪をひいたときは「呼吸器症状」と「全身症状」として症状が現れます。

呼吸器症状には鼻水・鼻閉・咽頭痛・声枯れ・せき・たんなどがあり、全身症状には発熱・頭痛・全身の倦怠感・食欲不振などがあります。

これらの症状は風邪のウイルスに対抗するために起こる防御反応です。炎症は赤くなる・熱をもつ・腫れる・痛みがあるといった症状のことですが、風邪をひくとのどの痛みを感じる方も多いと思います。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりも風邪に多い症状ですが、これは鼻の粘膜に付着した異物を吹き飛ばしたり洗い流したりするために起こります。

なぜ風邪をひくと色々な症状が出るのですか?

くしゃみ・鼻水・せき・たんなどの症状は人体にとって異物である病原体を体から追い出そうとする生体反応のひとつです。

風邪をひくと鼻水やのどの痛みなどの症状が出ますが、風邪のウイルスが体内に入るとまず鼻や口、のどに付着します。

ウイルスの付着を察知すると体は体温を上げます。

ウイルスは熱に弱い特徴があり、体温が高いほうが免疫機能が活性化されるためです。

体温を上げるためには内臓の働きを活発にしたり筋肉を震わせたりするため、筋肉痛・関節痛といった症状が出ます。

編集部まとめ

マスクをしてポーズをする女性
風邪は誰でも一度はひいたことがあるとても身近な病気で、ほとんどの場合ウイルスによる感染が原因です。

とくに治療をしなくても1週間程度で治りますが、症状によっては重症化する場合があるため油断はできません。

風邪にはせき・のどの痛み・発熱などさまざまな症状があり、程度には個人差があります。

症状が重い場合はとてもつらいですが、体が風邪のウイルスを追い出そうとして起こる防御反応のため無理に抑えず安静に過ごしましょう。

風邪の予防にも長引かせないためにも免疫力アップが重要です。十分な睡眠とタンパク質・緑黄色野菜・ビタミンCを意識してバランスのいい食事を心がけましょう。

参考文献

風邪(かぜ)の主な原因はウイルスによる上気道(鼻・のど)の感染|くすりと健康の情報局

かぜ症状はなぜ起こる?|コルゲンコーワ

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。