弁護士からのアドバイス
翌日、私は沙織に付き添ってもらって弁護士事務所を訪れました。女性の弁護士さんがしっかりと話を聞いてくれました。
「楓さん、よく頑張りましたね。ご主人による一連の行為は、離婚原因として非常に有力です」
そして、弁護士さんは言いました。
「離婚調停を進めるにあたり、まずは証拠集めをしっかりやっておきましょう」
「証拠、ですか。LINEは全部残してあります」
「はい、それも重要です。LINEに加えて、過去のモラハラ発言を日付・内容・場所とともに記録した記録や、もしケガをしたり心身に不調をきたして病院に行ったならその通院履歴、そして沙織さんのような第三者の証言もあるといいですね。
特にモラハラは目に見えないDVですから、客観的な証拠の量が大事なんです」
「日記と診断書……」
私はハッとしました。確かに、これまで直哉から受けた暴言や、それによる不眠や胃痛で病院に行ったこともありました。それらは全て、直哉を追い詰めるための証拠になるのです。
弁護士さんとの面談を終え、私は完全に前向きな気持ちになっていました。もう怯えるだけの私じゃない。法と証拠という盾と矛を持って、私は直哉と闘える。私は沙織の顔を見て、決意を新たにしました。
「沙織、ありがとう。私、やれる気がする」
いよいよ弁護士を依頼し、私は証拠集めという「戦いの準備」に取り掛かったのです。
あとがき:証拠という盾と矛の準備
一人で戦っていたら心が折れてしまうような状況で、幼馴染の沙織が「証人になる」と宣言してくれたことは、何物にも代えがたい支えです。さらに、次のステップとして弁護士相談に繋げたことで、楓は感情ではなく、法律というロジックで戦う武器を手に入れました。
弁護士の「モラハラ発言の日記」「診断書」「第三者の証言」が武器になるという言葉は、目に見えないDVに苦しむ人々にとって、希望の光となるでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

