薬物性肝障害の治療
薬物性肝障害の治療は原因である薬物の投与を直ちに中止します。
全身の強い倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状がみられた場合は入院による治療が行われます。治療期間中は安静臥床で消化の良い食事をとり、必要に応じて輸液が行われます。
薬物の投与の中止で改善がみられない場合は、肝細胞障害型と胆汁うっ滞型で異なる治療法が選択されます。
胆汁うっ滞型で黄疸の症状が長引く場合は、ビタミンAやビタミンK、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、プレドニゾロンなどの薬剤が使用されます。
重症化をきたし劇症肝炎に陥った場合は、人工肝補助療法による血漿交換や血液透析による治療が検討されます。改善がみられない場合には、肝移植が必要になる場合もあります。
薬物性肝障害になりやすい人・予防の方法
薬物性肝障害は抗生物質や解熱消炎鎮痛薬、抗がん剤などの医薬品によって発症しやすい傾向があります。
予防法として、医薬品を服用する際は、副作用が発生しやすくなる薬の組み合わせがないか確認し、飲み忘れた薬はまとめて服用しないことが大切です。
長期的に服用すると肝臓の機能低下を招き、薬物性肝障害のリスクを高める可能性があります。倦怠感や食欲不振などの症状が続く場合は使用をやめ、速やかに医療機関を受診しましょう。
また、肝疾患が既往にある場合や飲酒の習慣などは、医薬品や健康食品の使用によってさらに肝臓の機能低下をきたし、薬物性肝障害をきたすリスクが高まります。
これらの状態に当てはまる場合は、薬剤性肝障害の予防のために定期的に肝機能検査を受けましょう。
関連する病気
劇症肝炎ウイルス性肝炎閉塞性黄疸
参考文献
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル薬物性肝障害
昭和大学学士会雑誌「薬物性肝障害」
日本内科学会雑誌「薬物性肝障害の診断と治療」
日本中毒学会「アセトアミノフェン中毒症例の血中濃度に関する検討」
日本内科学会雑誌「 日本における薬物性肝障害の現況」

