GPSはスマホのバグだという夫
翌朝、サトルが帰宅。シャワーを浴びている間、証拠品とGPSのスクリーンショットを用意しました。子どもたちはそれぞれ幼稚園に行っている時間で、下の子は機嫌よく遊んでいました。
お風呂からあがった夫に、私は真実を問うことにしました。もしかして、これだけの証拠があれば不倫を認め、今後の行動を改めてくれるんじゃないかと思ったのです。相手はラウンジ嬢でしょうし、お店にバレても都合が悪いはずですし。
「サトル、昨晩はラブホテルに居たでしょ?遅いから古いスマホのGPSで確認したら、見えちゃったんだけど」
サトルは、タオルで髪を拭きながら、一瞬青ざめた。だが、すぐに彼は、演技とも思えないほど完璧な「困惑」の表情を浮かべた。
「は?どういうこと?先輩の介抱したのはビジホだよ。男同士で行くわけないだろ?」
彼は一つ一つ、私の疑念を、まるで脚本を読んでいるかのように否定していく。
「昨日は資料作りが大変で、先輩と夜中まで準備して飲みに行って、そのままビジホにいたんだよ。GPSも少しは場所がズレるんだから、誤作動じゃないの?」
完璧な否定。夫は認めませんでした。でも、私は、彼の目の奥にある怯えを見逃しませんでした。夫は完全にウソをついていることは、長い付き合いの私なら一瞬で見抜けます。
「そう。わかった。じゃあ、あなたが1日に何度も電話しているラウンジの彼女に、確認させてもらうね」
私の言葉を聞いた瞬間、サトルの顔から血の気が引いた。その顔こそが、何よりも確かな「自白」だった―――。
あとがき:決定的な証拠と、夫の見え透いたウソ
理々子の「証拠探し」は、妻の鋭い直感と、かつて夫が築いた家族の信頼関係を利用した、冷徹な行動です。特に、夫のスマホのGPS情報が示すラブホテルの位置は、読者にとっても心臓を掴まれるような残酷な真実でした。
しかし、サトルは全ての証拠を「貰い物」「誤作動」だと完璧に否定します。この「完璧な嘘」は、理々子をさらに深い怒りと決意へと導くことになりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

