子宮頸がんは進行するまで自覚症状がほとんどないため、早期発見が重要な病気です。その前段階とされるのが「子宮頸部異形成」。この段階で適切な治療を受ければ、がんを防げると言われています。そこで、子宮頸部異形成の治療とがん予防について「AOクリニック」の村上功先生に解説してもらいました。

監修医師:
村上 功(AOクリニック)
慶應義塾大学医学部卒業。その後、慶應義塾大学病院や東邦大学医療センター大橋病院、地域の中核となる総合病院で産婦人科の研鑽を積む。2013年にはケンブリッジ大学病理学教室博士研究員(University of Cambridge, Department of Pathology, Postdoctoral fellow)となり、また2016年にはさいたま市立病院産婦人科医長、2023年より東邦大学医療センター大橋病院産婦人科講師も務める。2024年、AOクリニック(アオクリニック)を開院、院長となる。日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本がん治療認定機構がん治療認定医。医学博士。
編集部
子宮頸部異形成の治療方法にはどのようなものがありますか?
村上先生
軽度異形成は、治療しなくても自然治癒(消退)することがあるため、経過観察となることも多いですが、中等度以上の場合は治療が検討されます。薬物療法では治療できないため、手術療法となります。もっとも多いのが、異形成部分を円錐形に切除する「円錐切除術」です。円錐型に子宮頸部を切除してしまうため、切迫早産のリスクが高くなると言われており、「円錐切除術」をした方の切迫早産率は25%と、通常(5%)の約5倍になるというデータもあります。
編集部
ほかにはどんな手術法がありますか?
村上先生
たとえば、当院でもおこなっているような「子宮頸部レーザー蒸散術(レーザー照射治療)」という手術があります。これは異形成の部分にレーザーを照射して病変を焼き、蒸散させる手術です。レーザー蒸散術は、手術によって子宮頸管が短くなることはなく、その後の妊娠に影響を及ぼしにくいと言われています。
編集部
子宮頸部異形成は、治療すれば子宮頸がんの心配がなくなりますか?
村上先生
適切な治療を受ければ、がんへの進行を防ぐことができます。ただし、HPVに再感染するリスクもあるため、治療後も定期的な対策や子宮頸がん検診が必要です。
編集部
HPV感染はどうやって防げますか?
村上先生
HPVワクチンを接種することで、感染のリスクを大幅に下げることができます。また、不特定多数との性交渉を避けることや、コンドームの使用も予防策のひとつです。
※この記事はメディカルドックにて<「子宮頸部異形成」はどれくらいで『子宮頸がん』になるかご存じですか? がん化予防法も解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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