所ジョージ「『所さん、バス乗んないじゃん!』を言わせたら俺の勝ち」、シルバーカード取得でひらめいた“ツッコミ待ち”作戦

所ジョージ「『所さん、バス乗んないじゃん!』を言わせたら俺の勝ち」、シルバーカード取得でひらめいた“ツッコミ待ち”作戦

「所さんの世田谷ベース」
「所さんの世田谷ベース」 / 撮影=WEBザテレビジョン

BSフジの人気番組「所さんの世田谷ベース」(毎週土曜夜10:00-10:55)。所ジョージ的モノの考え方や閃いた遊び、世の中の楽しみ方を発信する同番組は、2026年に放送20周年を迎える。WEBザテレビジョンはこの機会に世田谷ベースへ直撃。台本のない同番組が長く楽しく続く秘訣や、“所ジョージ的思考”の根っこを本人にたっぷり語ってもらった。所ジョージインタビュー特集 第5回は70歳という年齢を活かした“小ボケ”をきっかけに、“無駄を楽しむ”ことの価値を語っていく。

■言葉ひとつの大事さ

――前回の続き。経験してみることの大事さから、ついこの間行ったゴルフ場で得た知見について話題が及ぶ。経験も知識も、言葉ひとつで“伝わり方”が変わってくるという。

所:この間、ゴルフ場いったのよね。するとまず受付で「名前書いて下に生年月日書いてください」って言われるのよ。「あれ、今までこんなこと言われなかったけどねぇ…」って思いながら書くんだけど、そこで「証明できるものありますか」って言われるわけ。

ゴネるようなことでもないから、ハイって見せる。すると「あぁわかりました」って終わりなのよ!

「あんたが確認するだけかよ」「なんなんだこの仕組みは」とか思いながら個室行ったんだけど、よく考えたら「あぁ!そうか!俺70歳になったから非課税対象なんだ」って気づいたの。70歳以上の人は、ゴルフ場の利用料金が安くなるって仕組みだったんだよ。

――そうなんですね。それは知らなかったです。

所:5000円くらい安くなるんだよ、非課税になるから。でも「じゃあそう言ってくれよ」って思うじゃない。受付の人が「70歳以上ですと非課税となりますので、お安くなります。なにか証明できるものはお持ちですか」と言えば、「まあなんて親切なんだ」って思えるじゃん。

だけどなんにも言わないで「証明できるものありますか」だけだと、「は?なんで?」となる。親切心から出た言葉なのに、ひと言足りないだけで変な風に受け取られちゃう。世の中難しいなってそう思いましたよ。

■「シルバーカード」を使ったとっておきのイタズラ

所:まあでも「非課税、いいねぇ」と思って。そこから「70歳って、もしかしてバスもタダ?」と調べたら、シルバーカードっていう制度があることが分かった。役所に行って登録すると、バスとか都営地下鉄とかがタダになったりするんだって。ところが良いことづくめじゃあなくて、シルバーカードを作るのに2万円がかかるらしいんだよね。

――えぇ~…。

所:たとえばバス200円で行って帰ってきたら、400円。行き帰りで2回は乗るよね。数えてみたら、200円の距離なら、50往復までは2万円で差し引きトントン。毎日病院通ってる人はいいよ。50往復より多く通うだろうから。でも高齢者に優しくするための「シルバーカード」なら、10円でいいでしょ。何言ってんのって思わない!?

――シルバーカードには有効期限もあるんでしょうか?

所:1年だよ、1年で2万円。高齢者がバス移動のために年金から2万円捻出するなんて、そんな馬鹿な制度あるかい。そのくらいタダにしなって思うよ。…まあ俺は今度、もらいに行くんだけどね!

――行くんですか!?(笑)

所:2万円で「買える」んだよ。どんなカードか見たいじゃん。カードでTシャツ作りたいじゃん。その中に「無料」って書きたいじゃん、背中には「その代わり年間2万円必要です」って書きたいじゃん!

――それ着てる所さん見たいですね。

所:そうだよね(笑)?あと友だちに「俺はシルバーカード持ってるんだぜ」と出したときにさ、「なんだそれ?」って顔されて「バスがタダになるんだ」と説明するじゃない。そこで「所さんバス乗んないでしょ」って言われたいんだよね!

――まさかのツッコミ待ちですか(笑)。

所:バス乗んないでしょ、ってところまでがワンセット。それが出てきたら正解ですよ、拍手したい。「そこまででたどり着いた」ってことだ、俺のゲームは。それが2万円で一年間楽しめるんだったら面白いじゃん。

――考え方ですねぇ。

所:「シルバーカード持ってるんだよ」「何それ」「バスと都営地下鉄がタダになるんだよ」「乗んないじゃん」「正解」で拍手ぱちぱち。「乗んないじゃん」を言わせたら俺の勝ち。それを考えたら、2万円は安いよ。だから今度、カードを作りに行く。

――今度世田谷ベースで、そのTシャツが見られるのを楽しみにしてます。

所:楽しみにしていてください(笑)。ね、ホントに面白いことが次々にあるわけ。「歳を証明するものありますか」って言われたところから、どんどん面白い展開になってくるわけよ。

■“無駄”が楽しさを生む「対価がゼロのほうが面白い」考え方

――シルバーカードを知ってからのイタズラ(?)はすぐ思いつくんですか?

所:すぐだね。すぐ役所いきたくなくなっちゃうもん。受付のところで「どうやったら(シルバーカードを)取れるの」って聞きたい。

でもみんな最近、ネットで調べるじゃん、調べて段取りしてから行く。こういうのはね、段取りして行くからつまらないんだよ。段取りしてから行ったら、ことが“足りちゃう”じゃない。

行って、「アレが必要ですよ」「これが必要ですよ」って言われて「えぇ~~~!?」って言いたいんだよ。「んじゃもう一回来るわぁ」というのをやりたい。

――それがやりたくない人が大半だと思いますが、意外ですね。

所:そうそう。でもこれをすると、道中に物語がいっぱい生まれるんだよ。“道中”が増えたほうが面白いことがいっぱいある。スムーズにいくと、面白いことがないまんまで終わり。

――ちょっとわかるのは、洋服を見に行くときに調べないで行くと思わぬ出会いがあったりしますよね。

所:間違ってないよ。情報がないほうが新鮮だからね。新鮮で感動もある。情報がたくさんあると、「やってもしょうがない」とか「俺にはむいてねぇや」となってやらないまま終わることも多い。

みんな“無駄”をしたくないんだよね。必ず「使ったエネルギー分の対価」がほしい。対価がゼロのほうが面白いんだよね。「あれぇ?」ってなった方が(笑)。
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なお、所ジョージがMCを務める「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)の第452回 「ワタシ好みと、磨きと、宿題と。」が12月13日(土)夜10時から放送。取り締まりで走っている白バイを見て中古のホンダCB1300を購入して、“所流”にカスタマイズしていくという。

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