立花孝志被告人が「私的整理」を公表 負債5億でも「自己破産」を選ばなかった狙いは?

立花孝志被告人が「私的整理」を公表 負債5億でも「自己破産」を選ばなかった狙いは?

●破産するなら同時に申し立てられると考えられる

もし私的整理が不調に終わり、破産を選択することになった場合、立花被告人個人とNHK党は同時に破産申し立てを行うことになるでしょう。

法的には個人と法人は別人格ですが、実務上は以下の理由からセットで破産することが一般的です。

まず、いずれにせよ共倒れになり、両者とも破産せざるを得ないことが多いことが挙げられます。

たとえば、代表者が法人の借金の連帯保証人になっている場合、法人が破産しても代表者に請求がいきます。

逆の場合も同じで、結局両者とも支払い不能となり、共倒れになるケースが多いためです。

次に、お金の流れの透明性を確保するためです。 代表者個人と法人の財産とがあまりはっきりと区別されずに混同されていることが多く、一方だけが破産すると、もう一方に財産を隠しているのではないかと疑われるリスクがあります。

立花被告人の場合、YouTubeなどを通じて個人から資金を集めていましたが、それが「立花被告人個人への貸付」なのか「党への貸付」なのか、明確に区分されていない可能性もあります。

また、立花被告人が借りたお金を党の活動費に充てていた場合、法的には「立花被告人が党に対して貸付金(債権)を持っている」と評価され、破産管財人は党からそのお金を回収しようとします。

このように権利関係やお金の流れが複雑に絡み合っている場合、両者が同時に破産申し立てを行い、破産管財人の調査を経ることで、手続きの透明性が確保されます。

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

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