●実態にそぐわない表示は「店の信用」を長期的に傷つける
──飲食店側と消費者側が注意すべきポイントは何でしょうか。
飲食店側としては、客に誤解を与えないよう「仕切りのみあり」「半個室」「パーテーション席」など、実態に沿った表現を心がけるべきです。
曖昧だったり、客が期待するようなものと合わない表示をすれば、短期的な集客につながっても、長期的には信頼を損ないます。昨今では、口コミも無視できません。
一方、消費者側も「個室」と書かれていても必ずしも完全な遮蔽空間とは限らないことを理解し、予約時にどのような空間や設備かを確認することがトラブル防止につながります。
【取材協力弁護士】
石崎 冬貴(いしざき・ふゆき)弁護士
東京弁護士会所属。一般社団法人フードビジネスロイヤーズ協会代表理事。自身でも飲食店を経営しながら、飲食業界の法律問題を専門的に取り扱い、食品業界や飲食店を中心に顧問業務を行っている。著書に「なぜ、一年で飲食店はつぶれるのか」「飲食店の危機管理【対策マニュアル】BOOK」(いずれも旭屋出版)「飲食店経営のトラブル相談Q&A―基礎知識から具体的解決策まで」(民事法研究会)などがある。
事務所名:法律事務所フードロイヤーズ
事務所URL:https://food-lawyer.net/

