寒い時期になりやすい病気として暖房病があります。暑い時期の冷房病は聞いたことがあり、同様の症状と思う方も多いかもしれません。
しかし、原因や細かい症状は全く異なります。勘違いしたままでは、思わぬ体調不調を招く可能性もあるでしょう。
そこで本記事では、暖房病についてご紹介します。症状・原因なども詳しく解説するので参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「暖房病」になると現れる症状・対策はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
暖房病の症状と原因

暖房病はどのような病気でしょうか?
暖房病とは、暖房が効きすぎることで発症する諸症状の総称です。冷房病の場合は、冷房が効いた室内と暑い外気との激しい温度差によって、自律神経が正しく働かなくなってしまう病気です。同じような名前ではありますが、暖房病は違います。体が温かくなりすぎてさまざまな症状が発症するのです。
症状を教えてください。
暖房病の症状としては、次のようなものが挙げられます。肌・目・喉の乾燥
頭痛
吐き気
暖房が効きすぎている部屋は、非常に乾燥した状態となります。通常、人が快適に過ごせる湿度は40%~60%程度です。しかし、暖房が効いて乾燥が進むと湿度は20%台に下がってしまいます。ここまで乾燥が進むと、肌・目・喉などの乾燥を引き起こすのです。
また、暖房によって頭や上半身が温められることによってのぼせてしまい、頭痛・めまい・吐き気などのさまざまな症状を引き起こします。
暖房で頭痛やめまいが起こる原因は何でしょうか?
頭痛やめまいなどが起こる原因は、効きすぎた暖房による脱水症状です。冬は空気が乾燥しやすい傾向があり、その状況でエアコンなどを使用すると先述したように湿度の著しい低下が起こります。乾燥した部屋の中では、特に自覚症状がないまま皮膚や粘膜などが乾燥し、呼気から水分が失われる不感蒸泄が増えてしまいます。それに加えて、冬は汗をかきにくい季節です。
そのため、水分を失っている自覚や警戒心が低く、夏場と比較すると水分補給を行う機会が少なくなります。その結果、脱水症状を引き起こすのです。
暖房による不調の原因は脱水にあるのですね…。
暖房によって脱水が起こると、さまざまな不調につながる可能性があります。冬では自覚しにくい脱水症状を引き起こしているケースがあり、これを隠れ脱水と呼びます。隠れ脱水は、深刻な脱水症状の手前の状態でありながら、自覚しないために水分補給を怠りがちです。そして、先述したような不感蒸泄などにより水分がさらに失われると、血液中の水分が減るためドロドロとした流れにくい血液になってしまいます。その結果、血流が悪くなり頭痛や吐き気を発症してしまうのです。
編集部まとめ

暖房病は、乾燥から脱水症状を引き起こし、さまざまな体調の悪化を招く可能性があります。
脱水症状は夏に起きるものと思われる方も多いですが、エアコンなどの効きすぎによって冬でも起こるのです。
少しでも頭痛や上半身だけ温まり過ぎているといった違和感を覚えた場合には、部屋の加湿や空気の入れ替えにより対処しましょう。
また、同時に専門の医療機関への受診も大切です。早期発見と早期治療が、症状悪化の防止につながります。
参考文献
冬でも注意「冬の脱水症状」(千葉市医師会)
脱水症(健康長寿ネット)

