若年性パーキンソン病の平均寿命
前述のように、パーキンソン病は50-60代で多くが発症します。しかし、40歳以下の若年者に発症することもあります。若年性パーキンソン病と言いますが、症状は、通常のパーキンソン病と大きな差はありません。平均寿命も、同じように全体と比べて数年短い程度とされています。ただし、パーキンソン病全体を通して言えるのですが、運動機能が障害されていく病気ですので、健康寿命が短くなります。だんだん動けなくなるので、動けるうちにいかに「やりたいこと」をやっておけるかも重要になります。たとえば、興じているスポーツや趣味、旅行などは、症状が進むにつれてできなくなる可能性があります。無理のない範囲で楽しんでおくことが重要です。
パーキンソン病の末期症状
パーキンソン病は進行性の病気ですが、末期という概念が一般的に浸透している悪性腫瘍、いわゆるがんとは違います。平均寿命も極端に短いわけではなく、パーキンソン病における末期の定義が難しいです。ここでは、長期間パーキンソン病に悩まされた場合に見られる症状を末期症状として紹介します。
薬が効かない
パーキンソン病の治療が始まった当初は、治療薬が基本的によく効きます。治ったと思われるかたもいるくらいです。しかしながら、症状は確実に進行していきます。進行に合わせて薬も効かなくなっていきます。その都度、薬を増量したり、追加したりして対応をしていきますが、限界がきます。薬を飲んでも効かないno on現象、薬の効果が切れると動けなくなってしまうwearing off現象などが起こり、日常生活が制限されていきます。基本的にはかかりつけの先生へ相談することになります。内服薬の微調整を入院で行うこともよいでしょう。
さらにパーキンソン病が進行すると、飲み込むこともままならなくなります。食事がとれなくなると衰弱していきます。食事がとれない場合は、管を鼻から胃まで入れる経鼻胃管や栄養チューブをおなかの皮膚から胃まで通す胃ろうなどの方法があります。本人が意思を表せるうちに、どこまでどのような治療を行うか判断しておく必要があります。
また、パーキンソン病が進行してくると、介護量が増え、家族への負担も高まります。ご家族も疲れすぎないような工夫が必要です。ご家族の介護負担を減らすための入院(レスパイト入院)を受け入れている病院もありますので、かかりつけの先生へご相談ください。
ジスキネジア
パーキンソン病に罹っている時間が長くなると、前述の薬が効かなくなる症状に加えて、薬の効果が強くなることがあります。そうなると、自分の意志とは無関係に体が勝手にクネクネと動いてしまう、ジスキネジアが起こります。この症状に対しても、細かく薬の調整を行いますが、うまくコントロールできないこともあります。体が動かなくなる症状と勝手に動いてしまう症状との折り合いをつけて治療を続けていきます。勝手に動く症状が出現して困っている場合も自己判断で内服を中止することをせず、かかりつけの先生へご相談ください。
自律神経症状
自律神経症状とは便秘や立ちくらみなどのことを指します。実はパーキンソン病では、自律神経は早い段階から障害されます。特に便秘は早い段階から悩まされます。さらに末期になってくると、頑固な便秘となります。加えて、たちあがったり、座ったりするだけで立ちくらみや気が遠くなる、目の前が暗くなる症状が出現します。症状を抑えるようなお薬で治療を行いますが、なかなか治療が効かないこともあります。

